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 企業は業績が悪くなると会議が多くなりがちです。その原因は、上層部が業績悪化に不安を抱き、その不安を解消するために実績数字の達成状況や活動状況を確認するというような「数字中心の会議」が頻繁に行われるからではないでしょうか。

 以前の弊社でも、目標数字に対してできていない部分・できていないスタッフを参加者の前で指摘する、あるいは叱咤激励するといった数字中心の会議を行っていました。

 その結果、参加スタッフが浮かない顔をしていたり、会議の終了後にコーヒー缶をゴミ箱に投げつけていたりする姿を見かけ、なんとも言えない後味の悪さを感じていたものです。

 数字中心の会議は、いわば「不安解消のマネジメント」とも言えます。そのようなマネジメントの下では、スタッフは責められるのを避けるために、自分に不利となる事実を隠します。当然のことながら、会議でそのような事実が出てくることはなく、本当に議論しなければならない課題は先送りの状態でした。

 そして、部内でも同じような雰囲気の会議を繰り返し、若手社員のモチベーションまでも下がる悪循環に陥っていました。

「ああそうですか」と管理職

 冷静に見ると、このような状態で会社の業績が上がるわけもなく、私はマネジメントを変更する以外に打開策はないことに気づきました。

 「上層部の不安を解消するためだけに行われる数字中心の会議」「自分の意見の方が常に正しいと錯覚している管理者の叱咤激励」――これらはすべて、上から下への一方的なマネジメントであり、このようなマネジメントを続けていたのでは、スタッフのモチベーションが下がっても上がることはありません。

 そこで、マネジメントを転換するために、以下のような方針を打ち出しました。

1.売り上げ、受注が悪いのは現場だけが悪いのではなく、上層部を含めた全員の知恵の不足、能力の不足が招いた結果
・他人に責任転嫁しても業績は上がらない。知恵を絞り、能力を出す努力をするしか、他に方法はない

2.上司が部下に対して注意・アドバイスする時は1分以内にまとめる
・注意やアドバイスは業務上のことに絞り、人生観や生き方などの注意やアドバイ スは業務外で行う。3分も注意をすれば、部下は心の中で「あなたがやって見せ て」となり、5分過ぎると「そこまで言われる筋合いはない」となる。さらに10分過ぎると、感じの悪さだけが残って何を言われたか覚えていないということになる

3.意見やアイデアは会議の場で発言する。また、発言や報告は、文章・口頭を問わず、分かりやすく簡潔に行う
・会議の場で発言する勇気を持つ。発言や報告は分かりやすくまとめるようにする。 また、当事者のいない場で批評や討論をしない