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 無線LANのトラブルは、クライアントに原因がある場合も多い。社内で使われているクライアントやそのOSのバージョンなどを把握するのは重要な取り組みである。

 一度発生したトラブルが、同一機種の別のクライアントでも発生するなら、そのOSやハードウエアに原因があるかもしれない。「タブレットが別のAPにつなぎ直すハンドオーバーに対応できず、通信できなくなる現象があった。そのバージョンのAndroidがハンドオーバーに未対応だったようだ」(富士通の岡田氏)。

 パソコンやタブレットの多くは、APを切り替えてハンドオーバーする基準を公表していない。それぞれ独自に、ハンドオーバーでAPを切り替える基準を決めているためだ。

とりあえずアップデート

 OSや無線LANドライバーなどの仕様に起因するトラブルもある。例えば、Windows Vista/7。無線LANに接続した際に、ARPアープのパケットを大量に発信する特徴があった。「ネットワークセグメントが大きいと、ARP要求のトラフィックで帯域を圧迫するほど」(ユニアデックスの秋谷氏)。

 解決策の一つは、無線LANコントローラーが備える、ブロードキャストのパケットをユニキャストに変換する機能の利用だ(図5-1)。セグメントにあるすべてのクライアントに送られていたARPを、特定の宛先だけに限定するようにしてトラブルを回避できた。ただし現在はVista/7のこうした挙動は解消されたようだ。

図5-1●ARPを大量に発信するクライアントを想定しブロードキャストを制限
図5-1●ARPを大量に発信するクライアントを想定しブロードキャストを制限
Windows Vista/7は、無線LAN環境でARPパケットを大量に発信する場合がある。そうしたクライアントが多いと、ARPパケットがネットワーク全体にブロードキャストされてトラフィックが増加する。対策としては、無線LANコントローラーに実装されているユニキャスト変換機能を使って、ブロードキャスト通信を止める対策が有効だ。
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 無線LANで起きたトラブルの原因がOSやドライバーソフトの不具合であっても、その特定は簡単ではない。ただ、原因を突き止められないときは、取りあえずクライアントのドライバーを最新版にしてみるとよい。「意外に有効な手段で、問題が解消された経験がある」(富士通の福島氏)。

▼ARP
Address Resolution Protocolの略。