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 日本の人口動態からみて「終活」サービスが注目を浴びていることは間違いないが、それはビジネスの成功に直結しない。

 例えば、新サービスをデモするカンファレンス「TechCrunch50」(2009年)で注目を浴びた、人生の記録や遺言が残せるライフログSNS「LIFEmee(ライフミー)」(ライフミー、http://www.lifemee.com/、現在はなくなっている)は2013年4月に「資金調達の難しさや、イノベーティブな事を漸進的に行うためには体力が要ることを痛感」して自社サービスの終了を表明した。2010年2月にリリースされて話題を呼んだお別れメッセージ発動サービス「ラストメール」(ビズリード、http://last-m.jp/)の公式サイトは、2014年春以降からつながらない状態が続いている。

 海外に目を向けても、SNSのログインによって生存確認するサービスのはしりといえる「Deathswitch」(米Deathswitch、http://deathswitch.com/)が発足から約10年経った2015年10月に撤退するなど、よく似た事例が見つかる。リリースしてもほとんどスポットが当たらず、静かに消えていったり事実上休止状態になったりしたIT終活サービスは、当然ながらさらに多い。そうした失敗例から学べるところは少なくない。

わずか1年でサービス終了

 2014年3月に、オンラインで遺言メッセージを預かるという、無料サービス「Last Message」(http://www.lastmessage.jp/)がリリースされた。

 ユーザーは、宛先を指定してメッセージを書き込む。そのメッセージはロックがかかった状態で運営元のサーバーに保管される。ユーザーが死亡したとみなされると、あらかじめ指定しておいた宛先に閲覧用の「鍵」を送る。このサービスはそうした仕組みになっていた。

 ユーザーの生存は、運営元から一定間隔で送られるメールマガジンに記載したURLに対して、アクションを起こしてもらうことで確認する、としていた。アクションが一定期間ないと、運営元は「鍵」の送信先に安否を尋ね、死亡が確認されたらその鍵を渡すという。このサービスでは、そのメールマガジンに企業広告を載せることで収益を確保するもくろみだった。

 経営者はモバイル系のコンシューマー向けサービスで実績を持つ北村勝利氏。それまで得たノウハウを使って、テレビや雑誌に露出して積極的にこの新サービスをアピールした。世間もネット時代の画期的なサービスと受け止め、登場するたびにまずまずの反響を得ていたようだ。