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 ビルの出入り口脇や店内の一角。これといった使い道のなかった「デッドスペース」に目を付けたベンチャーが軒先(東京・目黒)だ。大手のドラッグストアや書店、自動車用品といった小売店が、店舗のドア脇や自動販売機前といった空きスペースを提供。物販やチラシ設置などの用途を見込んでいる。

「軒先」を利用した移動型店舗
「軒先」を利用した移動型店舗
(出所:軒先)
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 これまで約4000社が利用。書店のレジカウンターに学習塾のパンフレットを置いたり、バーの営業時間外にエステサロンを開いたりしている。

駐車場もトラックも

 2015年の車両台数が前年比33%増の1万2300台規模と拡大基調にあるカーシェア市場(交通エコロジー・モビリティ財団調べ)。同市場で急成長しているベンチャーが、09年設立のakippa(アキッパ、大阪市)だ。

 アキッパはインターネットを活用した空き駐車場の貸し借りサービスを手がける。全国で4500カ所を超える駐車場を展開し、この半年で倍増した。金谷元気社長は「駐車場はインターネットであらかじめ予約するというマインドを広げたい」と意気込む。

 アキッパの特徴は、駐車場を使いたい利用者の需要と、個人や企業が所有する駐車場の空き時間という供給を、ネットを使ってマッチングする仕組みにある。利用者はネットを通じて、駐車場を借りたい場所を指定する。周辺の空き駐車場から気に入ったものを選び、日時を指定して予約を完了する。

 例えば、コンサートやスポーツイベントがあれば、会場周辺の時間貸し駐車場を巡って争奪戦が巻き起こる。アキッパであれば、あらかじめ駐車場を予約できるため、当日のドタバタを避けられる。

 「時間貸し駐車場は現地に行って初めて満車であることが分かるから不便なことがある」(金谷社長)。一方で、空きが目立つ駐車場もかなりある。「これらをスマートフォンでつなげれば事業になるのでは」(金谷社長)と考え、14年4月に始めたのが、ネットを通じた駐車場の貸し借りサービスだった。

 当面の目標は、17年10月までに1万5000カ所以上の駐車場を手がけ、業界最大手に躍り出ることだ。東南アジアを中心に、海外展開も視野に入れる。1月末には、ベンチャーキャピタルのグロービス・キャピタル・パートナーズなど4社から総額約6億円を調達した。

東京・江戸川区にある丸亀製麺一之江店
東京・江戸川区にある丸亀製麺一之江店
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 企業にもアキッパの利用は広がっている。うどん店「丸亀製麺」を運営するトリドールはその1社。郊外店を中心にした店舗の駐車スペースを確保する目的で、15年夏ごろから利用を始めた。

 目的は駐車スペース不足による機会ロスを減らすことだ。郊外店には休日の午前11~午後2時ごろになると、客の自動車が行動まではみ出すほどの行列を成す。「店内にはまだ2割ほど空き席があるのに駐車場の方が満杯になってしまうことが、開店当初から問題だった」(東京・江戸川区にある一之江店の半田祐介店長)。

 一方で単純に駐車スペースを増設したり月極駐車場を契約したりするのもためらわれた。平日の駐車スペースには余裕があったからだ。

店舗の駐車スペースが満杯のときは従業員の自動車をアキッパの駐車場に停める
店舗の駐車スペースが満杯のときは従業員の自動車をアキッパの駐車場に停める
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 そこでアキッパに目を付けた。昨年8月、お盆の繁忙期対策として10台分を契約。来店客をアキッパの駐車場へ誘導した。コストは月極駐車場を契約する場合に比べて数分の一に抑えられた。