携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、電子メールは日本人であればほぼ誰でも使えるというほど普及したコミュニケーションツールとなっています。メールの役割はそれだけではありません。各種サービスのアカウント認証に利用するため、一種の社会インフラとしての役割も大きくなっています。セキュリティなどが従来よりさらに重要になっているのはそのためです。技術的な観点から、こうした最新のメールを巡る状況をまとめました。

メールを届ける協力メカニズム
目次
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[Part5]Webメールとメーリングリストの仕組み──Gmailやfreemlを例に理解
大規模システムならではの工夫が必要
メールを送受信する端末やアプリケーションは多種多様です。筆者の場合、パソコンでは米モジラのThunderbirdを利用していて、スマートフォンではキャリアのメールクライアントや米アップルの「メール」を利用しています。しかし一番利用しているのはWebメールのGmailです。Gmailの登場は衝撃的で…
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[Part4]メール利用環境を健全に保つ手法
サーバーで怪しいメールを遮断する
インターネットを介したメールではセキュリティ対策が必須です。メールの盗聴、スパムメールを使ったフィッシング、そしてウイルスなど添付ファイルを同封した攻撃などがあり得ます。これらへの対策として、パソコンにセキュリティ対策ソフトをインストールするのは、常識となりました。一方で、メールサーバー側の対策も…
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[Part3]メール転送の主役を担う「MTA」──Sendmail、qmail、Postfix、Exim
転送性能を決める仕組みの違いを理解しよう
メールが「届く」仕組みを考えると、その主役を担うのはメールサーバーに備わるMTAの機能です。このパートではMTAにスポットを当てましょう。MTAにはいくつか種類がありますが、一般的に使われているのは、「Sendmail」「qmail」「Postfix」の3つです。これら3製品で国内のMTAの90%…
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[Part2]メールの中核プロトコルを解剖する──送信・転送のSMTP、受信のPOPとIMAP
第2回は、メールに使われるプロトコルの技術を見ていきましょう。SMTPはメールクライアントからメールを送信するだけでなく、MTA間でメールを転送する際にも利用されます。一方、POP/IMAPはどちらもメールクライアントがメールを受信するためのプロトコルです。
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[Part1]メールはなぜ届く? 仕組みの全体像を探る
複数サーバーを経由して転送
電子メールはすっかり、社会インフラになりました。携帯電話のキャリアメールや、Webメールなど、電子メールは様々な形で生活に浸透しています。基本的な仕組み、すなわちメールクライアントからサーバーを通して、送信相手に届くまでの仕組みは、以前から大きく変わっていません。パソコン用、携帯電話用問わず大体同…