バーチャルリアリティ(VR)技術を使って、現場の業務を変えようとする動きが拡大し始めた。建設現場の施工管理や、設備保守、医療といった様々な分野での業務利用が始まっている。VRの歴史をひもとくとともに、先進事例を紹介。コンピュータ上で現場の状況をシミュレーションする「デジタルツイン」などIoT(Internet of Things)の取り組みについても解説する。

バーチャルリアリティが変える現場
目次
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札幌市がまるごとコンピュータの中に、北海道大学の豪雪被害シミュレーション
毎年の豪雪に悩まされる北海道札幌市で、サイバーフィジカルシステムに取り組むのが北海道大学だ。IoT(インターネット・オブ・シングズ)を駆使して、都市全体をシミュレーションする。
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農業で進むドローン測量、3Dデータで牧草地の生育状況を見分ける
農業の現場で、ドローンで収集したデータを基に3Dモデルを作成し、役立てる取り組みが増えている。測量用のクラウドサービスも登場した。
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360度カメラで遠隔からエレベーターの様子を確認、フジテック
エレベーターの開発や製造、保守などを一手に提供するフジテック。オフィスにいながらにして、現場の様子を確認できる仕組みを構築した。活用するのはリコーのデジタルカメラ「RICOH THETA S」だ。
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VRで工期遅れを防ぐ、北海道の定山渓で水管橋を無事故で設置、一二三北路
2016年3月、北海道札幌市内にある温泉地「定山渓」に1本の水管橋が完成した。この水管橋の工事に、ヘッドマウントディスプレー(HMD)によるバーチャルリアリティ(VR)を活用したのが、土木工事を手掛ける一二三北路(北海道・札幌)だ。
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IoTの「洞察」が「第三の市場」を生み出す、米GEが取り組む「デジタルツイン」
エリック・タッカー氏 GEグローバルリサーチ ITチーフテクノロジーオフィサー
IoT(Internet of Things)データ分析のクラウドサービス「Predix」を持つ米ゼネラル・エレクトリック(GE)。同社の狙いは、出荷後の製品や工場内の生産設備のデータを収集し、コンピュータ上で再現して分析する「デジタルツイン(Digital Twin)」の実現だ。
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3Dプリンターで人体の内部を再現、VRが医療現場を進化させる
VR技術や3Dプリンターなどを駆使して、医療現場を進化させようと取り組んでいるのが神戸大学大学院医学研究科 神戸大学医学部附属病院 内科学講座消化器内科学分野の杉本真樹 特務准教授だ。既に年間約50件もの臨床の手術現場で、VR技術や3Dプリンターなどを活用しているという。
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なぜ2016年はVR元年なのか──スマホの普及がVRを進化させた(後編)
日本バーチャルリアリティ学会 会長 岩田洋夫 氏に聞く
バーチャルリアリティ(VR)技術を使って、現場の業務を変えようとする動きが拡大し始めた。建設現場の施工管理や、設備保守、医療といった様々な分野での業務利用が始まっている。日本バーチャルリアリティ学会の会長を務める岩田洋夫 氏に、VRの企業利用や今後の方向性について聞いた。
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なぜ2016年はVR元年なのか──スマホの普及がVRを進化させた(前編)
日本バーチャルリアリティ学会 会長 岩田洋夫 氏に聞く
バーチャルリアリティ(VR)技術を使って、現場の業務を変えようとする動きが拡大し始めた。建設現場の施工管理や、設備保守、医療といった様々な分野での業務利用が始まっている。30年間にわたって研究を進めてきた、日本バーチャルリアリティ学会の会長を務める筑波大学 知能機能工学域 教授の岩田洋夫 氏にVR…