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 損害保険ジャパン日本興亜は、フィンテックの実現などに向けて処理速度や柔軟性、拡張性を確保する狙いから、基幹系システムを刷新する。クラウドを含む最新プラットフォームを適材適所で利用するとともに、ホスト上で稼働するCOBOLアプリケーションをマイクロサービスとして動くJavaアプリケーションに作り変える。時間の経過に伴って、システムの機能要求は変化していく。絶え間なく改修し続けることで、当初の設計思想が次第に崩れてしまう。保守性が悪化した結果、たった1行の変更に何か月もかかるようになることさえある。

写真●損害保険ジャパン日本興亜ホールディングス 常務執行役員 グループCIO 浦川伸一氏
写真●損害保険ジャパン日本興亜ホールディングス 常務執行役員 グループCIO 浦川伸一氏

 長年利用してきた基幹システムがこのように老朽化し、再構築が迫られた際に、選択肢は大きく二つある。機能面の設計や作りは極力そのままに近代的な技術に移し替える「システム再生(モダナイゼーション)」と、対象システムを再設計して新たに作り上げる「システム刷新」である。

 損害保険ジャパン日本興亜は3年前から、システム刷新の取り組みを進めている。ホスト上で稼働するCOBOLアプリケーションを、オープン系のプラットフォームで動くJavaアプリケーションに作り変えていく。同社の持ち株会社である損害保険ジャパン日本興亜ホールディングス 常務執行役員 グループCIOの浦川 伸一氏(写真)は、「基幹システムの老朽化対応にとどまらず、近い将来のフィンテック実現などに向けて、性能や柔軟性、拡張性を確保する」と話す。これらの狙いを実現するため、システム再生ではなくシステム刷新を選択した。

シンプル、スリム、スピードの三つを重視

 新システムでは、Javaアプリケーション実行基盤がクラウド上で提供される「Oracle Java Cloud Service」を技術検証用途で導入するなど、最新プラットフォームを適材適所で利用する。また、アプリケーション部品のマイクロサービス化やRESTベースのAPI標準化を推進する。

 今回の基幹システム再構築で重視しているポイントは、「シンプル(Simple)とスリム(Slim)、それにスピード(Speed)三つのS」(浦川氏)だという。例えば、ソフトウエアの構成要素が密結合した「一枚岩」(モノリシック)の作りにすると、構造が複雑になってしまう。そこで構成要素をコンポーネント化されたサービスとして作るマイクロサービスアーキテクチャーを採用し、シンプルさを確保しつつ、複雑さをスリム化することで素早く機能拡張や変更ができるようにする。