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 「信頼性を上げ、パフォーマンスも引き上げる。一方でコストは引き下げる。この3つを同時に実現しなければならないエンタープライズストレージ市場への参入障壁は非常に高い」。米インフィニダット(INFINIDAT)のモシェ・ヤナイCEO(最高経営責任者。66歳)は、エンタープライズストレージの現状をこう語る。異彩を放つヤナイCEOは、「ストレージ設計の神様」という二つ名を持つ。

 ヤナイCEOは、ハイパーコンバージドストレージ「InfiniBox」を日本で本格営業を始めるのを機に、2月末来日した。InfiniBoxは、42U型標準ラック1台にハードディスク(HDD)を480個、2.8ペタバイト(PB)の巨大容量を搭載し、しかも性能ベンチマークでオールフラッシュより優れる。

InfiniBox
InfiniBox
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 「例えば我々は事業立ち上げのために2億3000万ドル(約263億円)を調達し、製品開発に5年かけた。テストセンター(写真)でさえ5000万ドル(約57億円)の投資。普通の新興ベンチャーだったらせいぜい持って1年半だろう」。ヤナイCEOはストレージ分野の参入障壁の高さをこう説明する。インフィニダットには米Uberのファウンダーでもある米TPGグロース社がついており、インフィニダットに1億5000万ドル出資した。

インフィニダットの製品テストラボ
インフィニダットの製品テストラボ
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ストレージの歴史はコストとの戦い

 一方で、ストレージ大手も大きなジレンマを抱えている。高信頼性・高性能と低コストのトレードオフだ。「EMCやIBM,富士通,日立製作所などの大手は、特にコスト面で弱点をかかえている」(ヤナイCEO)。

 ヤナイCEOによると、ストレージの歴史はコストとの戦いの連続だった。1970〜1980年代のIBM 3350や3390に代表される高性能エンタープライズストレージは、高速で信頼性も高いが、いかんせんコストも高かった。富士通や日立のIBM互換ディスクもその部類だ。同時期にウインチェスター型ドライブを用いた低コストのストレージ製品を米CDC、三菱電機が出したが、これらは遅いし信頼性も低く、やがて淘汰された。ディスク径が10.5〜14インチの時代である。