社員の意識改革を狙って社食を大改装

 ヤフーは2016年、六本木のミッドタウンから、東京メトロ永田町駅直結の東京ガーデンテラス紀尾井町に本社を移転した。社員用のレストランは、ビル11階と17階の2カ所にある。基本的に社員限定である11階の社食「BASE11」は、ワンフロアほぼすべてが社食スペース。広さ3000平方メートル、座席数は800席だ。朝昼夜と1日3食提供していて、現在は朝ごはんのみ無料である。人気メニューは、チキン南蛮など鶏肉を使った料理だという。

 「おいしさ、コミュニケーション、ホスピタリティ、健康、サスティナビリティという5つの課題を挙げている。中でも、おいしさが一番重要だと捉えている。おいしくないと、よその飲食店に行ってしまうからだ。ヤフーはデータドリブンカンパニーを目指しているので、常に食事や利用客のデータを積極的に活かしていきたい」(沼田氏)。沼田氏は管理栄養士の資格を持っていて、業務に役立てているそうだ。

 太陽ホールディングス社は、プリント配線板に使用される絶縁材を製造しているメーカー。世界シェア6割、スマートフォン向け部品の一部では9割のシェアを持つという。埼玉県比企郡嵐山町にある嵐山(らんざん)事業所に、社食「嵐山食堂」がある。材料倉庫だった場所をそのまま社食として利用していたが、大規模な改装をして建て替えた。

 特徴は、地域にこだわっているところ。メニューには、地元産の食材を取り入れている。社食のテーブルと椅子には、埼玉県の木材を使用。さらに調理スタッフとして、地元の主婦を雇用した。当初は、東京・赤坂にある和食店から指導を受けて調理していたが、今では調理スタッフが自立し、メニューも独自で考案しているという。

 「創業64年で安定した利益を出しているが、安定志向に陥りがちだった。そこで社員の意識改革という狙いもあって、社食を大改装した。地元のものにこだわることで地域貢献にもつながれば」(尾身氏)。

 小薗氏は、自らが所属する大手印刷会社の社食について、社名を明かさないまま説明した。近隣に飲食店がないことから、本社ビル周辺に5つの社食を設けているという。それぞれの社食でメニューが異なり、量り売りなどの提供形態、有名店とのコラボ企画などバリエーションも豊富。人気メニューは、毎月29日の「肉の日」に合わせて出るステーキメニュー。600円というお値打ち価格で提供されるのも魅力のようだ。そのほか、マグロの解体ショーなどのイベントも行っているという。

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