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 一方、「技術力がなければ、ひとり情シスは務まらない」という意見が多かったのは、大きな課題である。初めから難しいと思われてしまうと、その先の行動につながらないからだ。連載の中でも難しい事はしていないと表現したつもりであるが、伝わらなかったのは私の伝える力の問題であろう。

 プログラミングが重要と強調しすぎたせいもあるかもしれない。確かにプログラミングができれば成果を出しやすのは間違いないが、プログラミングができなくても、できることはたくさんある。また、プログラミングを覚えると言っても、今どき分厚い技術書を頭から読む必要もない。インターネットを探せば、やさしく書かれているサイトがいくつも見つかるだろう。最初はわけが分からなくても、諦めずに読み続けていると徐々に理解できるはずだ。

「IT部門の現状を何とかしなければ」との意見多数

 個別の意見や質問も数多く寄せられた。分類分けをして多い順に表のようになった。一番多かったのが引き継ぎ・育成に関することで、ひとり情シスを運営するうえでの具体的な仕組み、将来の事、モチベーションに関する事と続く。

図4●意見・質問で多かった内容
図4●意見・質問で多かった内容
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 皆さんの意見を拝見させていただくと、肯定・否定・称賛・嘆き・驚きなど様々である。ひとり情シスによる運営について厳しい意見もあったものの、それぞれの立場で真剣にコメントされており、置かれている環境はそれぞれ違えど、企業の情報システムやIT部門の現状を憂い、本気で何とかしなければならないという気持ちが伝わってくる。

 「IT部門の消滅という事態は、もはや常識的なやり方では解決できない。誰の協力も得られず上司からも厄介者扱いの状態では、一人でなんとかする以外に方法は無い」。当時の私はそんなふうに思い詰めていた。多くの方々から「そのような状況では致し方がない」と一定の理解を示していただいた。ただ、「だとしても、それを良しとすることとは別」という批判も読み取れた。

 もちろん私もそれは認識していたが、上司や経営者が手を差し伸べる様子はなく、トラブルが増え続ける状態は待ったなしである。このままだと自分が倒れてしまうと感じ、まずは危機的状況から脱することが先決であり、うまく回り始めてから徐々に常識的な環境に戻していけばよいと割り切っていた。結果論ではあるが、間違いではなかったと思う。