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 10人もいたIT部門が消滅し、ただ一人残されたIT担当者の奮闘を描いた「ひとり情シス顛末記」。そのセカンドシーズンでは、実話の当事者である著者が読者の問いに答える形で連載を進めてきたが、それもいよいよ終盤に。今回は、意外なほど多くの質問が寄せられた「将来の夢」について語ってもらった。

読者の質問・批判

 成瀬氏は将来、何をしたいのだろうか。ひとり情シスを続けていて、将来に不安は無いのだろうかと思う。成瀬氏は会社から評価されなくても、ひとり情シスにエンジニアとしてのやりがいを感じているようだが、生涯をかけて打ち込む仕事とは思えない。成瀬氏が本当にやりたい事は何?

 読者のみなさんの中には、私がこの先どうなるのか、そして何をするのかを知りたい人もいるようである。そんな質問が寄せられたので、今考えている将来の目標や夢について語らせていただく。

 あまりにも現実的でない事が立て続けに起きたので、この先もまだ何か起きるのではないかと皆さん期待している面もあるかもしれない。しかし私ももう若くないので、正直これ以上は勘弁願いたい。とはいえ、夢ややりたい事はまだある。残された期間は十分で ないかもしれないが、どこまで実現できるか挑戦中だ。夢を追い続けているだけでも幸せである。

 私の中では「社内をどうしたいか」のほかに、「自分の人生としてどうしたいか」の2つがある。社内の今後については、全体を把握できたことで先が見通せるようになったので、これまでのような大きな変化は無いだろう。とりあえず、究極の自動化を目指し、自分が会社に行かなくても困らない状況を作り、テレワークの波が来たときに乗れるようにしたい。

1分で分かる「ひとり情シス顛末記」あらすじ
  • ピーク時には10人いたIT部門が消滅、著者も他部署に異動になり、居候状態で200台のサーバーを一人で管理することに
  • 企業のIT環境がこんな状況では良くないと考えた著者は、IT部門の復活を期して経営への提言を行おうとするが、情報は経営に上がらず、二度の直訴も失敗
  • 「ひとり情シスでやる」と意を決した著者は、まず老朽化した200台のサーバーを仮想化して管理可能状態にした。
  • 続いて、ITベンダーに丸投げしていた基幹システムのうち、データベースの管理を取り戻し、データガバナンスを確立。
  • さらに業務部門の要望に応え、業務システムの内製化にも取り組み、基幹システムのデータや業務部門に埋もれているデータを有効活用できるようにするとともに、データの一元管理をさらに推進した。
  • こうした取り組みにもかかわらず、ITや著者に対する意識や評価は変わらなかった。
  • 人間ドックで病気が発覚、著者は手術と入院で3カ月間にわたり出社できない事態になったが、社内のシステムは止まることなく、業務に影響を及ぼすような大事に至らなかった。
  • ただ、ひとり情シスのリスクを実感した会社は、IT担当者を新たにアサインし、長かったひとり情シス状態から脱却することになった。

 私の人生としての夢は、避暑地やリゾート地の別荘に太めの回線を引いてIT環境を構築し、複数の企業のシステムサポートをそこから行うことである。昔プログラマーは30歳までと先輩に言われてきたが、すでにそれを20年近く延長出来た。この先何歳までできるか試してみたい。今の感覚としては、プログラムを作り続ければ定年までは十分行けそうである。

 開発や管理に必要なサーバー環境はクラウドに置き、季節や気分によってビーチや温泉地などに仕事場を変え、いつでも周囲の自然に触れてリフレッシュできる。そんなことを考えるだけで、もっと頑張れそうな気がする。だが、はたして実現できるだろうか。世間では、クラウドを使った遠隔開発などもすでに行われているようであるし、ITはもともと距離と時間を縮めるのが得意なので、技術的な問題は心配していないのだが…。