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壁を作っているのは「無理だ」と思う自分自身

 私も最初はサーバー2~3台の運営だけでも手一杯であった。サーバー自身の問題というよりも、サーバーに接続する端末側のAPLの対応に追われており、これ以上は無理だと思っていた。その後、システムのWeb化で端末側の面倒を見なくてよくなり、負荷が大幅に下がった。

 その後、IT部門の人員削減の影響で抱えるサーバーが増え、これ以上押し付けられると破たんすると思ったが、仮想化技術により台数削減に成功し負荷が大幅に下がった。それでもIT部門が消滅した際、全社の200台のサーバー運営はさすがに無理と焦ったが、BCP(事業継続計画)の投資を得て最新の環境を構築し、全てのサーバーを管理することができるようになった。しかも、私個人の仕事の負荷は下がったのである。

 結局のところ、「無理だ」と思うのは「現状のままで行う」ことを前提にしているのであり、自分が作った壁でしかない。もちろん、「無理だ」という壁を超えるには適切なIT投資が必要なことが多い。IT投資をしないことで壁を超えられず、非効率で高コストな状態から脱却できないでいるとしたら、それこそ無駄である。

 壁を超えるには、メンタルのコントロールも重要である。自分に「できる」と思い込ませなくてはならない。「無理だ」と思ったら終わってしまう。私はこれまで何度も「無理だ」と思うことがあった。しかし、「これがダメならやめよう」と腹をくくったら、状況が急展開してうまく回り始めたことが何度もある。つまり自分の努力に幸運が重なるのだ。「見えない力にコントロールされているのかもしれない」。そんなふうにさえ思えてくる。

 それはともかく、最初は「無理かな」と思っていても、やってみたらうまくいくことが多い。まずはやってみることが重要である。基本的にITでできない事はあまりないと思っている。やってもいないのに「無理だ」と思わないほうがよい。逃げるのが癖になってしまうからだ。「無理だ」は思い込みであることも多い。以前の自分がそうだった。

 以前の私と同じような状況で、疲弊したIT部門で疲弊しているエンジニアは、壁は超えられると本気で思ってほしい(図2)。本気で何とかしたいと思えば、私の経験が生かせるはずだ。この「ひとり情シス顛末記」が前例だ。前例があるのだから、安心してチャレンジしてほしい。エンジニアなら、たった一人でも解決できる。私がそれを実証した。この連載を読んだ今こそチャンス到来である。読者の皆さんには、そう思ってもらいたい。

図2●壁を作るのは自分自身、やってみたら意外にできてしまう
図2●壁を作るのは自分自身、やってみたら意外にできてしまう
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