トヨタ自動車の工場といえば、「JIT(ジャスト・イン・タイム)」でのものづくりが有名だ。ところが車両が工場を出た後、販売店で顧客に納車されるまでの間には多くの滞留(ムダ)が存在する。そこでトヨタは販売店と共同で「TSL(トヨタ販売物流改善)」と呼ばれる物流改革を推進中だ。名古屋トヨペットを舞台に、JITとIoT(モノのインターネット)を融合したTSLに挑む現場をリポートする。

連載
トヨタのIoT
目次
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トヨタの店長はタブレットを駆使して「見込み客」を捕捉する
名古屋トヨペットの次世代店舗「三好店」2階の商談コーナーなどでは、営業担当者が店舗刷新前の2015年8月から、タブレットで利用できる「SPM(セールス・プロセス・マネジメント)」を使って業務をこなしている。SPMにはトヨタの販売店管理のノウハウがぎっしり詰まっている。
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トヨタ販売店の作業ピット、ノギスまでIoT対応
店舗1階にある次世代作業ピット(ICU)もIoTで大きく変わった。カルテレスにより電子化された整備の作業指示は、検査員のiPod touchに送られる。従来のような紙の整備指図票はもうない。実行すべき整備情報はエンジニアが使う新型の「システム台車」のモニターに転送。やはりカルテレスで業務を進める。
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IoTてんこ盛りでおもてなし、トヨタの次世代店舗
名古屋トヨペットはトヨタの協力を得て、2016年3月に次世代店舗と位置づける拠点をリニューアルオープンした。愛知県みよし市にある「三好店」だ。ここもIoTの事例がてんこ盛り。三好店を見れば、トヨタが販売の現場で何をしたいのかがよく分かる。
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トヨタの新車点検センターではApple Watchが点検車両を指し示す
トヨタの工場から出荷された車両が、三好ヤード、そして高岡新点センターに移動すると、そのたびに車両に付与した「車両タグ」と、駐車スペースに埋め込んだ「ロケタグ」を携帯端末(iPod touch)で読み取り、車両と駐車位置(ロケ番地)をひも付ける。
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トヨタの工場を飛び出す「JIT」、顧客の家までムダ取り配送
世界中の企業が手本とする、トヨタ自動車のものづくり「トヨタ生産方式」。その真髄は必要なものを必要なときに必要なだけ作る・運ぶ「JIT(ジャスト・イン・タイム)」にある。JITがトヨタの強みであることは今さら言うまでもない。ところがひとたび車両が工場を出ると、そこにはまだ大きな無駄が残されていた。
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