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必要なスキルはチームによって異なる

 持っているスキルを成果に結びつけるためには、チームとして動かなければならないことがほとんどだろう。

 連載の最初でパッション+スキル+スモールチームが重要という話を書いた。パッション(情熱)はその人の体験から湧いてくるものなので教えられないが、これがなければ困難を乗り越えて仕事を成し遂げられない。

 しかし、スキル(技術)は教えられる。本連載ではスキルの見える化の方法としてスキルマップを紹介した。そして、成果を出すためには、チームとしてスキルを組み合わせる必要がある。スキルマップはチーム自身が作り、メンテナンスするべきだ。スキルを活用してチームとして勝つためのパターンについても簡単ではあるが、本連載で触れた。

 成果を出すためには「チームで取り組む必要がある」「周りの同僚が重要だ」という話は昔から変わっていないが、本当にチームについて分かってきたのは最近のことだ。80年代の強い日本を支えたのは、このチームの力なのだと筆者は推測している。

 もし現代の日本企業の人々が、そのことを忘れてしまい、デキる人信仰や合理化・省力化に傾きすぎているとすれば、とても残念だ。チームや文化を壊すのは簡単だが、作るのは長い時間がかかる。

新技術を社内で使っていくためには

 何か新しい技術を習得するためには、まずは使ってみなければいけない。エンジニアのスキル習得は、教室で授業を受けても終わらない。社内で新しい技術を使ってみるにはどうしたらいいだろう。チームや上司と楽に合意が取れればいいが、新技術ほど、合意を取るのは難しくなる。もし、不幸にしてその技術を試したいと思っている、組織内で最初の一人になってしまったらどうしたらいいだろうか。

 よくある助言はこうだ。「とにかく上司や周りを説得して許可をもらおう」。しかし、ちょっと待ってほしい。相手はあなたより技術に詳しいだろうか。あなた自身はその技術を理解し、習得するのに必要なスキルを持っているかもしれないが、他の人に同じ条件を期待してもよいのだろうか。

 新しい技術を組織内に入れるには、いくつかの共通の戦略がある。まず、仲間を見つけることだ。情熱をもって活動していれば、新しモノ好きのイノベーターたちが手伝ってくれるかもしれないし、解決策を探しているアーリーアダプターが相談に来てくれるかもしれない。

 ステップバイステップで、小さな成功を積み重ね、十分な予備調査をしてから、上司の支援を仰ぐといいだろう。続いて、これまでやってきたことを振り返る時間を作り、次のステップを決めていく。仲間が増えてきたら、外部から講師を招いて勉強会をやるものいいだろう。その時はぜひその講師と上司や経営陣が話し合うミーティングをセットし、彼らが講師に相談できる時間を作ってみよう。

 勉強会は、最初のころはボランティアで業務時間外に設定するほうが動きやすいが、より多くの人が参加するようになると手間が増える。すると、正式な推進担当者になるべき時期がくる。もし担当者になれば、業務時間の一部を使えるだろう。周りからも相談すべき相手が明確になる。

図4●新技術のスキルを高める勉強会への道筋
図4●新技術のスキルを高める勉強会への道筋
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