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 御用聞き、人月商売としてのSIビジネスにどっぷり漬かってきた日本のITベンダーに、はたして新規事業、新しいビジネスモデルの創出は可能か。「共創」十番勝負と題した、この連載は、ITproのコラム「極言暴論」などを通じて、SIビジネスの問題点を批判してきた編集委員の木村岳史が企画するスペシャルコンテンツだ。

 今や大手ITベンダーの経営幹部でさえも「SIビジネスは活況だが、おそらく最後のピーク。もはや先は無い」と口々に述べる。デジタルの時代を迎え、ユーザー企業のIT投資の主力は、IoT(インターネット・オブ・シングズ)や人工知能(AI)、クラウドなどを使った戦略分野に移る。これまでITベンダーの金城湯池だった基幹系システムなどの大規模開発への需要は大きく減少する確実だ。

 そんなわけでITベンダー、特にSIerと呼ばれる大手各社は、新規事業を創出し人月商売からの脱却を模索する。そうしたITベンダーの取り組みの中で、私が注目するのが「共創」。新たなビジネスをユーザー企業と「共」に「創」る。つまり、異業種連携による新規事業の試みだ。大手ITベンダーは軒並み、この共創を新規事業育成のコアに据える。こうしたITベンダーの取り組みに、極言暴論の“木村の眼”で斬り込む。

 共創十番勝負の第二番に登場するのはNTTデータだ。第一番のNEC編と同様、NTTデータが自薦したイチオシ事例をこの記事で紹介し、第2回で担当役員へのインタビューを掲載、第3回で木村の眼でNTTデータの共創・新規事業戦略を斬る。今回、NTTデータのイチオシ事例は日立造船との共創。インタビューに答えるのは、ビジネスソリューション事業本部長の佐々木裕執行役員だ。

 日立造船との共創の中身を聞いたとき、私は思わず「えっ!」と絶句してしまった。NECの事例は、三井住友銀行と共同出資会社を設置し、両社が事業リスクを取るという分かりやすい。対して、NTTデータの事例では日立造船はあくまでも“お客様”でありノーリスク。「それって、はたして共創と言えるのか」というのが、当初の私の疑問だった。

IoTなどの活用事例としては王道だが…

 日立造船とNTTデータの共創は、IoTを活用して工場設備の遠隔監視を行い、AIも活用することで、設備の故障や予期せぬ異常停止などの事前予知を可能にする技術・サービスの確立に向け、実証実験を共同で進めようというもの。まさにIoTやAI、ものづくりのデジタル化を図るインダストリー4.0といった今のトレンドに則った、PoC(Proof of Concept:概念実証)の取り組みだ。