待ちに待ったiPhoneの販売参入に加え、他社に先駆けた新料金プランの導入と、攻めの姿勢が目立ってきたNTTドコモ。2015年3月には携帯電話と固定通信のセット割も始めた。だが、足元の業績は非常に厳しい。満を持して投入した新料金プランが裏目となり、2014年度の営業利益予想は大幅な下方修正を余儀なくされた。事業範囲に違いがあるため、単純な比較はできないが、携帯電話大手3社で最下位への転落は決定的となった。復活のシナリオを探る。

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NTTドコモ 復活のシナリオ
目次
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NTTドコモ 復活のシナリオ
NTTドコモが2014年10月に発表した業績予想の下方修正には、競合他社を含め、業界関係者が一様に驚いた。iPhoneの販売参入や新料金プランの先行導入で攻勢に出たのも束の間、実に苦しい内情が浮き彫りとなったからだ。
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2016年度以降の業績回復は確実 新料金の成否で時期は前後も
[パート1:現状分析]
NTTドコモが巻き返しに向けた戦略の基軸に据えるのは、2014年6月に導入した新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」。皮肉なことに、新料金プランの導入が2014年度に▼1000億円規模のマイナス影響を出して業績予想の大幅な下方修正につながったわけだが、セット割の提供を見据え、満を持して投入したも…
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求められる“価値共創” 同質化の壁を乗り越えろ
[パート2:課題分析]
パート1ではNTTドコモのもくろみを中心に現状を紹介したが、パート2では識者の指摘などを踏まえ、今後の課題を分析していく。
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歴史の変曲点で次代の礎を築いた
[インタビュー]NTTドコモの加藤薫社長に聞く
2011年度の増収増益から一転、2012年度は増収減益、2013年度は減収減益、2014年度は大幅な減益予想と厳しい業績が続くNTTドコモ。現状をどう評価し、今後はどのような成長を描いているのか。スペイン・バルセロナで3月2~5日に開催されたイベント「Mobile World Congress 2…