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 市場の7割を握り、利益が拡大しているカーシェア「タイムズカープラス」の次の一手は法人開拓だ。平日の稼働率を上げ、収益性を高める。法人が望む社員の安全運転を支援するサービスが好評だ。

 パーク24は個人客を中心に会員数が約72万人まで広がったカーシェアを、企業など法人客にも展開している。というのも、平日の稼働率はまだ低いため、平日に動き回るビジネスパーソンの移動需要を取り込みたいからだ。法人が利用しやすい場所への車両設置で、平日の法人利用は年々高まっている。

 この1~2年、カーシェアの部隊は積極的に法人を回り、企業ニーズを探ってきた。すると浮かび上がってきたのは、法人が抱える2つの課題だった。

 1つは社用車を含む移動コストの削減、もう1つは社員の行動管理である。パーク24はカーシェアだけでなくレンタカーも手がけ、駅や空港で借りやすくする「一次交通との連携」を強化中。これらとの組み合わせで移動コストを引き下げる提案を続けている。

 鉄道会社や航空会社のクレジットカードがあれば、簡単な手続きだけでカーシェアやレンタカーを使えるサービスも用意。料金の優待も車載機から受けられる。

 一方、行動管理は車両に積んだ車載機とセンサーからデータを吸い上げ、それらを企業の総務担当者などがウェブブラウザーから見られるようにした。それが2016年9月に始めた「クルマの運転見える化サービス」で、後発ながら法人ビジネスで規模を拡大するための切り札だ。

車両のセンサーで見える化を実現

拠点が駅並みの1万カ所に増えれば、さらにカーシェアは伸びる
拠点が駅並みの1万カ所に増えれば、さらにカーシェアは伸びる
タイムズ24の内津基治タイムズカープラス事業部長
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 以前は要望がある法人にだけ見せていたが、「社員がどんな運転をしているのかを知りたいというニーズが高いことが分かったのでサービスメニューに加えた」と、タイムズ24の内津基治タイムズカープラス事業部長は話す。

 見られる情報は実に細かい。急加速や急減速の回数や最高速度、時速105kmの超過回数などがそうで、「表示しようと思えば、もっと色々な数字を出せるし、車内でドライバーに注意を促す表示やアナウンスを出すことも可能だろう」(内津事業部長)。これこそIoTの賜物だ。車両に取り付けたセンサーから多くのデータを収集しているからこそ提供できる。

法人向けに開始したカーシェアの「クルマの運転見える化サービス」。利用者ごとに急加速や急減速、最高速度などを表示。データは車両のセンサーから収集している
法人向けに開始したカーシェアの「クルマの運転見える化サービス」。利用者ごとに急加速や急減速、最高速度などを表示。データは車両のセンサーから収集している
写真提供:パーク24
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 これがなぜ法人にウケるのか。内津事業部長は「カーシェアは車両とドライバーが1対1でひも付いている。そのため、誰が何時から何時までどの車両を利用し、どんな運転をしたのかが個人単位で分かる。総務担当者はそこに価値を感じたようだ」と話す。

 リース会社が提供する従来の社用車は鍵の貸し出しで車両を管理していることはあっても、「誰がどんな運転をしているのかといった、人の行動まで追跡するのは難しかったのだろう」(同)。

 ある法人では最高速度が105kmを超えた社員に注意したところ、それ以降は全体の安全意識が高まり、速度オーバーが大幅に減った。急加速や急減速も同様で、本人に注意をすると明らかに減る。

 「見られていると分かれば、ドライバーの意識が変わって安全運転に努めるようになる。急加速や急減速が減れば燃費も良くなるので、当社にもメリットがある。事故が減れば、企業は安心だし、当社は車両の稼働率を上げられる」(内津事業部長)。運転見える化サービスはいいこと尽くめだ。特に燃費改善は、カーシェアの利益向上に億単位で貢献し始めている。

 加えて、興味深い話がある。「ある法人では、急加速や急減速が少ない社員ほど営業成績が良いという傾向が見られるといった話が出た。優秀な社員は焦らず行動できるように、前もってきちんと仕事の段取りや時間管理をしていると想像できる。こうした相関関係もいずれは検証してみたい」(同)。