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 情報処理技術者試験を受けるなら、試験を実施する試験センターのことをよく知っておくべきです。試験に合格するには、迫りくる難問を時間内にやっつけなければなりません。その難問を投げかけてくる相手こそ試験センターです。つまり、試験センターとそこから依頼された作問者は、受験者にとって「戦う相手」なわけです。

 ところが、受験者の答案を見ると、戦う相手を間違ってしまっているケースがあるのです。答案には様々なものと戦った痕跡が見て取れます。時間だったり、上司だったり、睡魔だったり──色々です。

作問者の心理を推測する

 作問者と聞いて、どのような姿をイメージされるでしょうか。頭脳明晰で受験者に狡猾な罠を用意し、ほくそ笑む知的サディスト?あるいは、作問者と受験者という圧倒的な力関係を背景に教育的ハラスメントを仕掛けてくる傲慢なハラッサー?

 まあ、そういう人もいなくはないと思いますが、多数派は優しい人たちです。これは筆者の推測ですが、「ものすごく作問者になりたかったからなった!」というわけではなくて、ほかの仕事も忙しいんだけど頼まれちゃったから断るわけにもいかなくて──といった経緯で作問者になっているのでしょう。

 作問はとても難しいお仕事です。そもそも問題を作るのは面倒です。それに、出題ミスでもあろうものなら鬼の首を取ったかのように批判されますし、ミスがなかったとしても、問題の出来不出来について論評されます。作問者はこうした弾幕をかいくぐるようにして、どうにか公平で、かつ批判を免れそうな問題をひねり出してきます。まずはこうしたことを前提知識として持っておきましょう。

本当にある! 驚きの失敗例

 実際、戦う相手を間違えている受験者は意外と多いものです。ここではありがちな失敗例を2つ紹介します。失敗例1は、試験センターではなく上司と戦ってしまったケースです(図4)。出題の内容はオーソドックスなもので、提示されたシステムの問題点を聞いています。ある受験者はこれに対して、自社のシステムの問題点を述べ始めてしまいました。しかも上司が悪いと説明しています。

図4●【失敗例1】戦う相手を間違える
図4●【失敗例1】戦う相手を間違える
自社のシステムのことや上司の愚痴など、作問者が知らない自社の事情を解答してはいけない。
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 信じがたいのですが、本当にあるのです。解答が自社システムや上司の愚痴になってしまっている答案って。もちろん、作問者や採点者は受験者の上司のことなんて知りません。解答用紙に憤りをぶつけてストレスが発散できるならそれもまたよしですが、合格したいなら、採点者が知らない自社の事情を書いてはいけません。

 合格できる解答には合理的な根拠が必要です。その根拠は試験の公平性を考えると、問題文の中で提示するしかありません。問題文をよく読んで、そこで示された範囲内で答えを考えましょう。