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 「今後30年間で靴にもチップが入る。それが我々の脳よりも賢くなり、我々は靴以下になる。なんとも興味深い世界が訪れる」ーー。スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2017」(MWC2017)にて2月28日、ソフトバンクグループの孫正義社長が久々に基調講演に登壇(写真1)。上記のような発言をして、満員の来場者で埋まった会場内を沸かせた。

写真1●Mobile World Congressの基調講演に久々に登壇したソフトバンクグループの孫正義社長
写真1●Mobile World Congressの基調講演に久々に登壇したソフトバンクグループの孫正義社長
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 講演の冒頭では、孫社長は「我々の産業には不都合な真実がある」と、MWCのメインの聴衆である通信業界が直面する課題について触れた。「スマートフォンの出荷は今後、成長が止まり、ARPU(契約者当たりの月間平均収入)は過去10年間で47%も下落した。にもかかわらず、トラフィックが指数関数的に増加している」。

 ただ、その後は「私は課題を語りに来たのではない。これから30年のビジョン、未来を語りに来た」(孫社長)とし、ここ最近の孫社長の定番ネタである「シンギュラリティ」について熱弁。冒頭のような発言を交えながら、聴衆に熱心に語りかけた。

 講演の中身自体は、2015年10月のソフトバンクアカデミア特別講義などで孫社長が語ってきた「シンギュラリティ」に関する内容とほぼ同じ。コンピュータに組み込めるチップの数は、2018年に人間の脳細胞の数(300億個)に到達。その後30年かけて、人類の脳細胞の100万倍にまで増加し続ける。人間のIQは平均100であり、200もあれば天才とされるが、上記のように脳細胞を大幅に超えるチップを持ったコンピュータができれば、今後30年間でコンピュータのIQは1万に到達。超知性(Super Intelligence)が生まれるとした。

 このような超知性は、IoT(Internet of Things)としてあらゆるモノに内蔵される。そんな超知性を持ったスマートロボットの人口が、今後30年で人類の人口を超えると予測する。孫社長は「だから私は英ARMを買った。ARMは、今後20年間で1兆個のチップを出荷する。決して少ない数ではない。靴にもチップが入り、それが我々の脳よりも賢くなる」と語り、昨年買収したARMの話題につなげた。