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 プロジェクトの現場から「チャットツールを導入してほしい」との要望が来ています。これ以上コミュニケーションツールを増やして効果があるのか、悪影響はないのか迷っています。 (大手SIベンダー/標準化部門)

 チャット花盛りですね。リモートワークや働き方改革といった掛け声とともに、現場への導入が広がっています。ともすれば、チャットさえあればメールやビデオ会議はもう要らない、という話をする人もいます。

 結論から言うと、チャットはメールや電話、ビデオ会議と共存します。メールや電話、ビデオ会議は「能動的」な情報伝達手段です。これに対してチャットは、「受動的」な情報伝達手段となります。受動的な伝達手段とは、伝えるためのアクションなしに情報を伝達する、いわゆる“空気の共有”です。

 新しい情報伝達手段は、古い手段の代替となります。メールは手紙やFAXの、ビデオ会議は対面会議の代替です。同じように考えると、チャットツールは「チームのプロジェクト部屋の代替」といえます。

 プロジェクト部屋で行われるコミュニケーションは、何かしらの空気をまとっています。トラブル発生中の緊迫感、リリース前の緊張感、リリースが終わった喜び、重々しい定例会議が終わった安堵感、といったものです。チャットは、当事者以外も空気感を共有できるツールになります。

 しかし、単純にチャットツールを導入するだけで空気感を共有できるようになるわけではありません。うまく使いこなすには、二つの秘訣があります。

 一つめは「プライベートな空間と位置付ける」です。言いたいことをためらいなく言える空間になるように工夫します。