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 大手ITベンダーの2017年3月期の通期決算を基に辛口に採点する「2016年度決算、辛口通信簿」。第二回はNTTデータだ。

 2017年3月期通期に過去最高益を更新したNTTデータ。国内事業は不採算案件の削減に成功し、成果を実感できる結果となった。「グローバル」セグメントは北米事業が足を引っ張り営業赤字に。北米事業の収益力向上が、そのまま同社の課題である。海外子会社間で開発拠点を統合するなど、コスト削減や経営の迅速化といった相乗効果を発揮するための具体策を示すことが欠かせない。

大手ITベンダー4社の2017年3月期通期決算
大手ITベンダー4社の2017年3月期通期決算
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 NTTデータの2017年3月期通期は、売上高が前年同期比7.3%増の1兆7324億円、営業利益は同16.1%増の1171億円だった。前期からの1175億円の増収分のうち、約7割に当たる837億円をグローバルセグメントが占めた。

 同セグメントの売上高は前年同期比16.1%増の6033億円。為替変動による減収影響があったものの、買収した米デル(現デルテクノロジーズ)のサービス部門(Dell Services)の業績を3カ月分計上したり、欧州子会社の決算時期統一で15カ月分の業績を計上したりして増収となった。一方、営業損益は同41億円減で33億円の赤字だった。企業買収に関連した費用や関係会社の再編で減益要因が発生した。

 全社の営業増益に貢献したのは国内市場の「公共・社会基盤」や「金融」セグメントで、どちらも不採算案件の削減に成功した。公共・社会基盤セグメントは官公庁のシステム需要が拡大したため売上高は前年同期比8.2%増の4554億円、営業利益は同32.1%増の441億円となった。金融セグメントでは前年同期における大型案件の反動減があったため売上高は前年同期比1.1%減の5180億円だったが、営業利益は同32.5%増の423億円となった。NTTデータの岩本敏男社長は会見で「市場の需要は堅調に推移し、不採算案件も上手くコントロールできた」と自信を示した。

NTTデータの岩本敏男社長
NTTデータの岩本敏男社長
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