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 電力小売りの全面自由化が始まった2016年4月以降トラブルが続いていた、東京電力パワーグリッド(東電PG)の「託送業務システム」。新たに小売り事業に参入した企業が、顧客の電気使用量を入手できず、料金を請求できない事態に陥った。

 本来なら、電力メーターから集められた電気使用量のデータは託送業務システムに集約され、小売電気事業者に通知されるはず。しかし、その機能が正常に機能しないケースが多発した。未通知件数は、最大時に3万件にのぼったという。

 その東電PGが2017年6月9日、システムの不具合や再発防止策などをまとめた報告書資料を公表した。東電PGは「これが(一連のトラブルの)総括となる」としている。

 東電PGのシステムで何が起きていたのか。その原因が見えてきた。

一部データのコピー処理ができない

 託送業務システム内部における不具合のうち、最も大きなものは、内部に複数あるデータベース(DB)間におけるコピー処理の失敗だ。このために、託送業務システム内で、電気使用量データが滞留してしまった。

 そもそも託送業務システムは、複数のサブシステムで構成されている。スマートメーターや旧型電力メーターから集めた電気使用量を集約する「検針値管理」、メーターの設置場所などを管理する「地点・計量器管理」、電気使用量データを取りまとめる「託送契約・料金」などだ。各サブシステムごとに、それぞれ異なるDBを管理している。

託送業務システム内でデータをコピーする機能が原因
託送業務システム内でデータをコピーする機能が原因
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 このうち、データの一部をコピーする仕組みになっているのが、地点・計量器管理システム内の「地点DB」と、託送契約・料金システム内の「契約情報―地点変換テーブル」だ。地点DB内のデータを、契約情報―地点変換テーブルに、バッチ処理でコピーしていた。

 この処理に失敗してしまうケースがあった。

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