
日経情報ストラテジー マネジャーのためのデータリテラシー講座
目次
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最終回 目的と課題に直接答えているか 結果や結論とのつながりを確認
その分析結果は何のためか
最終回はデータ分析を実務で生かすに当たり、「これができていないと、どんなビッグデータも統計手法も全て台なし」ともいえる、最も本質的なポイントについて触れてみたい。
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第11回 分析の質は中身で決まらず 見せ方が最終効果を左右する
分析結果は「結論」ではない
「自分は分析担当者だ」と思い込んでいる部下が持ってくるアウトプットはいつも、「こういう分析結果でした」という内容のものが多い。例えば、図1、2のようなアウトプットを部下から受け取った上司のあなたは、どのようなフィードバックを返すべきだろうか。
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第10回 入り口(インプット)に潜む罠 使うデータが全てを決める
カテゴリー(定義)の曖昧さが落とし穴に
過去2回の連載では、分析結果としてまとめたグラフの読み方について、その注意点を紹介した。ところが落とし穴は分析の出口だけではなく「入り口」、すなわち分析に使うデータそのものにも潜んでいる。そのことをマネジャーはぜひ知っておきたい。
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第9回 出口に潜む落とし穴 グラフのトリック(その2)
前回紹介した3つに続き、部下やパートナー、顧客などからデータや情報を受け取る立場のマネジャーが身に付けるべきデータリテラシーの1つである、グラフを適切に読み取るスキル(「グラフリテラシー」と呼ぶ)について紹介したい。
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第8回 出口に潜む落とし穴 グラフのトリック(その1)
数値が正しくても気を許してはいけない
使うデータと分析のやり方が適切であれば、データ分析で得られる情報は完全といえるのだろうか。データ分析の結果は、グラフなど可視化された形で最終的にアウトプットされることが多い。
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第7回 結果の精度を大きく左右 見落としがちなデータ数
部下から分析結果を受け取るマネジャーが常に目にするものは「アウトプット(結果)」だ。ところがその結果に至った、元の「インプット(入力)」にまで注意を払う人は意外に少ない。本当にアウトプットだけで大丈夫と言い切れるだろうか。
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第6回 消された情報をどう拾うか 便利な指標にはワケがある
いつも使う平均値にも落とし穴がある
データを扱おうとすれば、誰でも経験がある行為の1つが、「指標で示すこと」ではないだろうか。基本的な統計指標として、平均値を思い浮かべると分かりやすい。
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第5回 目の前のものを一歩引いて見る 数字のインパクトは本物なのか
部下の視点は“具体的すぎる”こともある
部下の視点はいつも「具体的」であることが多い。対応を迫られる業務に毎日追われていると、おのずと自分の視野は狭くなってくる。狭ければ狭いほど、具体的な情報に意識が向くのは自然なことだ。「あいつは現場に詳しい」と周囲にいわれるのは、その象徴的な現象だったりする。
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第4回 数字の比較に潜む2段階の罠 ベースをそろえるという発想
情報の読み取りは「比べる」から始まる
実務におけるデータ活用の方法で最もポピュラーなのは「比較」だろう。前年同期比や対競合比、製品間の売り上げ比較に始まり、誰もが気にする対予算比など。比較がビジネスの現場で多用されるのは、裏を返せば、数値そのものを「単独」で評価することの難しさを表している。
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第3回 その“範囲”は誰が決めたか 分析者任せは危険すぎる
欲しい結論を狙い撃ちするズルい方法を見抜く
データ分析と聞くと「誰が実行しても同じ、客観的な答えを得られる。だからこそ、データを取り入れる価値がある」と考える人は多いはずだ。確かにそれは正論である。ところが実際のビジネス現場の実態は、必ずしもそうなってはいない。
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第2回 結論を大きくゆがめる 隠れた“外れ値”を探せ
統計指標の「裏にあるもの」を見る
あなたが首都圏にある複数の店舗を統括する売り上げ責任者だったとしよう。ある日、同じような規模である3店の担当者から、過去2週間分の「売り上げ実績報告」として、図1のようなデータが上がってきた。担当者の結論は次のように明快だ。
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第1回 目の前にあるデータの“外”見る データリテラシーは上司にも必要
チェック1:「どこまで見たか」の確認を怠るな
過去1年半にわたり、「間違いだらけのデータ分析」と題して、実務の現場でどんな職種の人でも活用できるデータ分析手法や、気をつけるべき落とし穴などを紹介してきた。