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(出所:日本テラデータ)
(出所:日本テラデータ)
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 このアートの原題は、「Funding Fountains(資金の噴水)」。中国の大手銀行の依頼でコーポレート・バンキングのリスクとビジネスチャンスを把握するため、銀行の顧客企業の送金取引に関するデータを、匿名化したうえで分析。送金取引の状況を可視化したものです。

 銀行の顧客企業とその取引先企業の関係を可視化することで、企業間の相互依存関係やサプライチェーンといった顧客企業の重要な経済活動を俯瞰できます。

 顧客企業の資金の行き先を正確に把握し、顧客のビジネスや取引の本質を視覚的に捉えることで、顧客企業に対する与信・リスク管理やビジネスマッチングなどのビジネス提案が容易になります。また、不正な口座取引をはじめとするマネーロンダリング対策にも活用できます。

アートの価値は3億ドルのゴーギャンを上回る?

 アート上に、花火のような形状のものが複数、見えます。その中心にある点(ノード)は銀行の顧客企業を表現しています。

 その点から外側に伸びる線(エッジ)は、顧客企業の送金取引を表しており、その先に結ばれている点が、取引先企業を示しています。線は10万ドルを超える送金取引があると結ぶようにしています。

 線が示す送金取引の総額は、4億5千万ドルを超えます。アートとしても4億5千万ドルの価値があると言えるかもしれません。史上最高レベルの金額である3億ドルで落札された美術品に、ポール・ゴーギャンの傑作「ナフェア・ファア・イポイポ(いつ結婚するの?)」があります。このアートは、ゴーギャンの傑作よりも価値が高いという見方もできます。

 このアートの制作とその基となるアナリティクスは、データサイエンティストのクィリン・シー氏が担当しました。67万社以上の企業の6千万件以上の取引データを対象に分析しました。

 まず、「ページランク(PageRank)」と呼ぶ分析手法を使って、銀行の顧客企業のうち送金取引額が多い上位32社を抽出しました。ページランクは、検索サイトを中心に「リンクが多く集まっているWebページは重要度が高い」といったWebページの重要度分析に使われている手法です。

 この手法を応用して抽出した顧客企業と、総取引額が70万中国元(およそ11万5000ドル)以上ある、その取引先企業を対象に分析。このアートにまとめました。合計3883ノード、3943エッジが表現されています。