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(出所:日本テラデータ)
(出所:日本テラデータ)
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 このアートのタイトルは「Eye Of The Storm(嵐の目)」。文字通り、大きな目があなたを見つめています。このアートで表現されているこのまなざし。中に含まれているのは、安心でしょうか。それとも危険でしょうか。

 答えは危険です。実はこのアート、2013年に英国の元首相、マーガレット・サッチャー氏が死去した直後に、Twitter上に書き込まれたサッチャー氏を中傷するあるツイートにまつわるものです。あるツイートをきっかけに、サッチャー支持派と、サッチャー反対派が互いにツイート攻撃する様子を、アナリティクスで可視化したものなのです。

誰もが発信できる時代ゆえにアート誕生

 このアートは、政治家に対するツイートを対象にしていますが、企業にとって、ネット上のツイートや書き込みの状況を分析して、可視化することは重要です。

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やスマートフォンの普及で、誰もが、いつでもどこでも、自分の考えや気持ちを言葉にして、ネットで発信できるようになっています。その結果、ネット上に膨大なツイートなどがあふれています。発信内容には、企業に対するイメージや、企業が提供している商品やサービスについての感想、さらには企業で働く従業員へのクレームなどが少なくありません。

 企業は、その発信内容が、企業を好ましく思っているものなのか、あるいは好ましくないものなのかを、ウォッチする必要があります。ある企業に対する好ましくないツイートがネット上で急増して炎上すると、企業イメージが失墜して経営危機に陥るケースも現実にあるからです。ネット上の誹謗中傷の書き込みや炎上は全世界で頻発しており、個人や企業、ブランド、政府、政治家などを巻き込んだ、大きな問題になっています。

 対策として有効なのが、今回紹介するアートです。企業がネット上のツイートや書き込み状況を、このようなアナリティクスを通して可視化することで、対策を容易に講じることができます。

サッチャー反対派が目の中心、支持派はまぶたを表現

 今回のアートの読み方を解説します。点(ノード)一つひとつは、ツイートを表し、あるユーザーのツイートに賛同して別のユーザーが再公開したリツイートも含みます。線(エッジ)は、ツイートやリツイート同士の関連性を表します。「このツイートは、あのツイートに対する反論だ」といったケースを「関連性がある」と見なして、線で結ぶようにしています。

 アート中央で、目の瞳孔のように見える点が、最初に書き込まれたサッチャー氏を中傷した「サッチャー反対派」のユーザーによるツイートです。それに対して、「サッチャー支持派」がすぐに数千ものツイートで攻撃しました。支持派のツイートは、このアートでは、上下のまぶたのように見える、多くの白い点が集まる部分に表現されています。

 支持派のツイートがネット上に増えるのと同時に、サッチャー反対派で、攻撃を受けた最初のツイートを擁護するユーザーたちが反撃を開始。その人たちのツイートはアート上で、瞳孔の周りを取り囲む、目の「虹彩」のように配置されています。

 つまりこのアートでは、上まぶたと下まぶたの部分に集まるサッチャー支持派と、瞳孔から虹彩にかけた部分のサッチャー反対派の関係性を可視化しているわけです。