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 「クラウドファースト、モバイルファースト」から「インテリジェントクラウド+インテリジェントエッジ」へ――。米Microsoftのサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)が訴えるプログラム開発のパラダイムシフトは、「Microsoft Azure」の姿も変える。ナデラCEOが描くAzureの未来像を解説しよう。

 Microsoftのサティア・ナデラCEOが2017年5月の開発者会議「Microsoft Build 2017」で発表したインテリジェントクラウド+インテリジェントエッジは、従来のクラウドファーストやモバイルファーストの考え方を置き換えるコンセプトと位置付けられている(写真1)。ここでいうインテリジェントエッジとは、スマートフォンやタブレット、ノートPCといったモバイルのデバイスに加えて、センサーや産業機器、白物家電、自動運転車といったIoT(Internet of Things)のデバイスも含めた概念である。

写真1●米Microsoftのサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)
写真1●米Microsoftのサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)
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 ナデラCEOが訴えるインテリジェントクラウド+インテリジェントエッジの最大のポイントは、クラウドとエッジが従来以上に密接に連携し、プログラムがクラウドとエッジを行き来するようになるというものだ(写真2)。

写真2●ナデラCEOが訴える「インテリジェントクラウド+インテリジェントエッジ」
写真2●ナデラCEOが訴える「インテリジェントクラウド+インテリジェントエッジ」
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 クラウドがインテリジェントクラウドに、モバイルがインテリジェントエッジにそれぞれ進化する、といった単純な考え方ではない。インテリジェントクラウドとインテリジェントエッジは、不可分の存在になるのだ。

 これまでは、クラウドとモバイルは一部重なり合っていたものの、基本的には別のものとして存在していた(写真3)。象徴的なのがプログラムが稼働する仕組みだ。一般的なモバイルアプリケーションの場合、主要なプログラムはクラウド(サーバー)で稼働し、モバイルのプログラムはクラウドの処理結果を表示だけ、というするケース多かった。

写真3●モバイルファーストとクラウドファーストは個別の事象だったという説明スライド
写真3●モバイルファーストとクラウドファーストは個別の事象だったという説明スライド
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 AI(人工知能)に欠かせない機械学習でも、クラウドとモバイルは役割分担をしていた。機械学習においてデータから法則性を見つけ出す「学習(トレーニング)」はクラウドで実行し、モバイルでは新規に発生したデータに法則を当てはめて物体認識などをする「推論」を実行するだけ、というのが一般的だった。つまりこれまでは、クラウドのプログラムがそのままモバイルで実行されることは無かったし、その逆、つまりモバイルのプログラムがクラウドで実行されることも無かった。

「データには引力がある」とナデラCEO

 それに対してインテリジェントクラウド+インテリジェントエッジでは、クラウドのプログラムがエッジで実行されたり、エッジのプログラムがクラウドで実行されたりすることが起こりうる。ナデラCEOは「今日はクラウドで処理されている機械学習のトレーニングが、エッジでも処理されるようになる」と表現する。プログラムがエッジで処理されるのはなぜか。その理由をナデラCEOは「データには引力があるからだ」と説明する。