PR
田中 覚氏
田中 覚氏
たなか さとる氏●アクセンチュア、GE(ゼネラル・エレクトリック)日本法人などを経て2011年にあきんどスシロー入社。情報システム部長としてICチップを使った「回転すし総合管理システム」や、スマホアプリによる予約システムを構築。2015年11月から現職

 2015年11月に回転すしチェーンのあきんどスシロー(大阪府吹田市)から、POS(販売時点管理)データ分析を専門とするカスタマー・コミュニケーションズ(東京・港)に転じました。

 ユーザー企業からベンダーへと立ち位置を変えたのは、スシローでの経験が大きく影響しています。活用していたアマゾン ウェブ サービス(AWS)の進歩は目覚ましく、機械学習の機能まで提供するようになりました。仕事の大変な部分をITがどんどん肩代わりし、人がビジネスに集中できるようになりました。

 マーケティング分野でもこうしたことができないかと考えました。カスタマー・コミュニケーションズは全国のスーパーマーケットやドラッグストアなどからPOSデータを収集し、分析してメーカーや小売りに提供しています。データの多くは、ポイントカードなどによって顧客の属性を取得した「ID-POS」データです。もちろん氏名や住所などの個人情報はありませんが、性別や年代層、居住地域別の売れ筋商品の傾向や、経年に伴う購買行動の変化を突き止めることができます。

時代が変わるときデータが味方に

 ただしこうしたビッグデータを分析するには、ユーザーがデータの見方や、加工の仕方、分析ツールの使い方をある程度知っておく必要があります。BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールは使いやすく進化していますが、マーケティングや販売の現場の人が誰でも使いこなせるまでにはまだなっていません。一方で、企業のIT部門は実務が分からず、現場がどんな分析をしたいのかを十分にくみ取れていません。

 ならば、ユーザーとIT部門の橋渡しはできないかと。現場のやりたいことを聞いて、当社のデータや各社が持っているデータと結び付けて、仕事に必要なリポートを作る。「マーケティングBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)」というビジネスに可能性を感じています。

 スシロー時代、営業数値のダッシュボードを作りました。現場でオペレーションを回す部長たちから受けた、「こういう数字を見たい」というリクエストに応えたものです。「数値が良いか悪いかをどう判断するのか」「この数値が悪化するとどう対処するか」といった現場の知恵が、数字を通じて浮かび上がることに、とても面白さを感じました。

 日本の消費の現場はどんどん変化しています。インバウンド消費も増え、オリンピックに向けて知見を貯めていかなくてはなりません。時代が変わっていくとき、データは本当に大きな助けになります。立場は変わりますが、データをとことん使っていく姿勢は変わりません。