仕事でも日常生活でも日々課題は山積み。悩み多き現代人の強い味方がデータだ。複雑な事象を見える化し、解決までのプロセスを理路整然と導き出す。とはいえ、ハードルも高い。「データの集め方は？」「ｐ値って何？」―。数字と統計用語が飛び交うデータ分析の世界は、専門家でなければ分からないことだらけ。そこで今すぐ使える手法から、実用化一歩手前の最新手法まで、豊富な図解で徹底解説した。顧客DNA分析、お買い物動線分析、無駄遣い撲滅分析、継続勤務意向分析などなど。“最強の分析手法”の使い手に変身して、今日から職場や家庭で役立ててほしい。
（総力特集取材班）
出典：日経情報ストラテジー 2015年12月号 pp.22-55
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
PART1 分析手法を使いこなす現場／CCCマーケティング
今や日本人の3分の1が所有する「Tカード」。ユーザーである「T会員」のうち、1年に1回以上利用するのは5556万人。3890万人が1カ月に1回以上、2359万人が1週間に1回以上という高い頻度で利用している（いずれの会員数も、1人で複数枚のTカードを持つケースを除く）。
PART1 分析手法を使いこなす現場／嘉穂無線（グッデイ）
店内の顧客の動きをセンサーで捉え、売り場配置の改善などに役立てる「動線分析」を導入する企業が増えている。
PART1 分析手法を使いこなす現場／ JPEC（一般財団法人 石油エネルギー技術センター）、NTTドコモ
機械やセンサーなどのビッグデータを分析し、設備や品質の異常傾向を事前に察知する「トラブル予兆分析」が、大きな注目を集めている。そこで、実際に取り組みを進める一般財団法人石油エネルギー技術センター（JPEC）とNTTドコモの事例から、トラブル予兆分析の勘所を見ていきたい。
PART1 分析手法を使いこなす現場／大林組
大林組は、東京都清瀬市の大林組技術研究所で電力需要の予測に最新の分析手法を用いている。曜日や時間帯、天候などにより変動する電力需要を高い精度で予測し、商用電源とそれ以外の供給元からの電力を適切に組み合わせたり、消費電力の大きい実験をする時間帯を調整したりといったことを可能にした。これにより、東京電…
PART1 分析手法を使いこなす現場／リクルートマーケティングパートナーズ
リクルートマーケティングパートナーズが展開する、高校生向けのオンライン学習サービス「受験サプリ」が好調だ。スマートフォンを使い、予備校講師による授業の動画を見て確認テストを受け、自分のペースで“スマホ自習”できる。
PART1 分析手法を使いこなす現場／インテージ
楽しい／つまらない、やる気が出る／出ない─。AI（人工知能）がもてはやされる時代になっても、人の感情のメカニズムは解き明かされない。その難題に挑み、社員の「心の中」をデータで測ることに挑戦したのが、調査会社のインテージ（東京・千代田）だ。
PART1 分析手法を使いこなす現場／富士ゼロックス、Jリーグ
神奈川県海老名市にある富士ゼロックスの「サービスデリバリーセンター」。ここは、顧客から預かった紙の帳票などを電子化してデータで納品する、イメージング処理の受託拠点である。保険会社の支払いや新規契約の書類などの電子化が主な業務だ。帳票の電子化プロセスを改善するのに大きな役割を果たしているのが、合計6…
PART1 分析手法を使いこなす現場／メディパルホールディングス
需要予測はあらゆる企業にとって永遠のテーマだが、なかでも“流行”に左右されやすいのが医薬品業界である。花粉症やインフルエンザなど、病気には流行があり、その始まりと終わりは毎年違う。そのため、どの薬をどの時期に、どれだけ用意しておけば欠品せずに済むのか、かつ余らせずにも済むのかを正確に推測するのは至…
全日本空輸（ANA）が東京大学と共同で、客室乗務員の「おもてなし」を分析している。「外国人の客室乗務員にANA流のサービスを体得させたり、将来は日本のおもてなしを“輸出”したりする」（ANAの幸重孝典取締役執行役員）のが狙いだ。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
世の中をより詳しく簡単に見える化する手法の研究が進んでいる。研究機関やコンサルティング会社、ITベンダーに籍を置くデータサイエンティストのチャレンジを紹介する。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
口コミつながりでもう1つ。モノやサービスを選ぶ際、ツイッターや口コミサイトを参考にするのが定番化しつつある。こうしたデータを体系的に分析し、旅行者ごとに満足度が高い観光地をお勧めするのが、自治体向けにコンサルティングを手掛ける監査法人のトーマツだ。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
地元住民も気づかない観光地の魅力をデータが明らかにしてくれるように、普段接している上司もつかみきれていない、部下の強みや弱みをデータであぶり出す。そんな取り組みで成果を出しているのが、野村総合研究所（NRI）デジタルビジネス推進部の神田航太主任データサイエンティストだ。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
「分析の前提となる仮説作りがうまくいかない」「大量データを短期間に処理できない」─。実際に分析してみると出てくるこんな悩みも、新手法や技術で解決できるめどが立ってきた。以降で4つ紹介する。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
今手元にあるデータだけでは説得力のある結果が出ない。でも欲しいデータは入手不能─。こんな悩みの解決に乗り出すのが、統計手法のマーケティング応用研究を手掛ける筑波大学大学院ビジネス科学研究科の佐藤忠彦教授だ。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
人間のような学習能力をコンピュータに持たせる技術である機械学習の応用が進んでいる。大量データをコンピュータに学習させ、精度よく認識できるようにするこの仕組みは、自動車の制御システムなど、産業分野への適用が進んでいる。
PART2 世の中を詳しくカンタンに見える化する新手法
地球上で生成されるデータ量は2020年に44兆ギガバイト。7年で10倍の規模に拡大─。米EMCと米IDCが共同発表した調査では、このような超ビッグデータ時代の到来が予測されている。