人工知能(AI)などの先進ITを活用して、Webサイトやスマートフォンを見る人の趣味や嗜好に合う広告を効率よく表示する新技術「アドテック」が急進化を遂げている。人手では不可能な数の広告を自動生成する取り組みも加速。消費者の生活全般を網羅したビッグデータ活用も始まった。移り気な消費者の本心をITでつかむ、アドテックの最前線に迫る。
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詳説 アドテック
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ブランドイメージを傷つけない、ソフトバンクが新たな広告配信システム
ブランドイメージを重視する消費財や自動車といった大手広告主、いわゆるナショナルクライアントを増やしたいネット広告企業にとって、広告主のブランドイメージを守るためのアドテックの開発が急務になっている。ここに商機を見いだした1社がソフトバンクだ。
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鏡型デジタルサイネージ、博報堂とマイクロソフトが新たな広告手法
博報堂もAIを使った広告システムの開発に取り組む。2017年3月、グループ会社の博報堂アイ・スタジオ、日本マイクロソフト(MS)と共同で、閲覧者の性別や年代、感情などをAIが推定してデジタルサイネージに広告を出し分ける「Face Targeting AD」を発表した。
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AIでネット動画広告を大量生産、最大手が新組織を作った狙い
インターネット広告の最大手サイバーエージェントは、AIを使って質の高い広告を数多く、かつ迅速に作ろうと挑んでいる。過去に同社が手掛けたネット広告の広告表現(クリエーティブ)をデータに置き換え、それぞれの閲覧結果や閲覧者の推定属性といったデータとともにAIに学ばせる。学習結果を基に、質の高い広告の大…
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電通がコピーライターの仕事をAIに、働き方改革にも
「やめらんないね、花火だけは」「夏休みに捧げた講師に、乾杯」「君と僕と花火と」――。これらの広告コピーを作った電通所属のコピーライターの名前は「AICO(アイコ)」。ただし人間ではなく正体はAI。電通が今秋の実用化を目指し開発している、広告コピーの自動生成システムである。