経済産業省は2015年5月末、「攻めのIT経営銘柄」18社を初めて発表した。そのなかの1社に選ばれたのが大阪ガスである。

 その選出の陰には、同社の情報通信部内にあるデータ分析組織「ビジネスアナリシスセンター」の存在があったことは間違いないといえるだろう。それぐらい、今や大阪ガスのビジネスアナリシスセンターは世に知られる“名物組織”になった。

 それと同時に、所長を務める河本薫氏の名も世間に広く知られるようになった。本誌がビジネスアナリシスセンターと河本氏を初めて取り上げたのは、約3年前の2012年秋。当時はほとんど知られていなかったビジネスアナリシスセンターと河本氏。だがデータサイエンティストという新しい職種の第一人者として河本氏が認知されるようになると、瞬く間にビジネスアナリシスセンターにも注目が集まった。昨今のデータサイエンティストブームを語るうえで欠かせない「時の人」となった河本氏は、データサイエンティストのお手本として今も脚光を浴び続け、周囲から尊敬されている。

 この特集では本誌がビジネスアナリシスセンターと河本氏を最初に取り上げてから現在までの約3年間に組織がどう進化したかに迫った。また、トップランナーとして走り続けてきた河本氏ならではの苦悩や課題を赤裸々に語ってもらった。最後に河本氏がこの3年で外部から最も多く受けたという質問に、誌面で大胆に回答する。

(写真撮影:宮田 昌彦)
(写真撮影:宮田 昌彦)
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