スマートフォンやタブレット端末は「1強」のベンダーに法人需要が集中し、VPNルーターやLANスイッチなどは着実にシェアを伸ばす後発ベンダーが業界ガリバーに迫る─。法人向け通信市場のシェア変動で注目すべき動きがある。これらの製品のどこが評価されているのか。2015年の企業ネット実態調査は、通信関連の製品・サービスの顧客満足度に着目し、選ばれる製品の理由に迫った。モバイル通信分野はスマートデバイスを重視し、法人が評価したスマートデバイスの満足度や、スマートデバイス向けのモバイル通信サービスもきめ細かく調査した。

連載
企業が妥協しない「機能」と「セキュリティ」
通信11部門の満足・不満足
目次
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定番には選ばれる理由がある 法人の満足度を項目別に調査
[総論]
今回の調査は現在利用している機器や端末、サービスに対する企業ユーザーの満足度を調査項目に加えた。定番や成長株の製品・サービスがなぜ選ばれるのか。そのカギは顧客満足度にあった。
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スマホ、ルーターで「完全首位」 携帯通話・WANは団子状態
[通信11部門の満足度]
今年の企業ネット実態調査で実施した満足度の調査結果を11の部門別に紹介する。本調査では、製品やサービスに対する包括的な満足度を聞いた「全体満足度」とともに、「端末の機能・性能」「通信料金」など主要な項目の満足度も聞いている。これらの項目別満足度の傾向を見ると、製品が評価される具体的な理由が分かる。
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タブレット利用率でソフトバンク スマホ平均導入台数は1.7倍に
[定点観測:スマートデバイス/モバイル]
ここからは、企業ネット利用実態調査で継続して調べている製品・サービスの利用動向や投資の変化を、いわゆる定点観測した結果として紹介する。まずスマートデバイスとモバイル通信の利用状況や支出額で見られた特徴を紹介していこう。
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L2/L3混合型も伸び悩み 期待の新型WANが成長の兆し
[定点観測:WAN/IP電話]
通信事業者が提供するWANサービスやIP電話は、通信料金の値下がりが続き、ユーザー企業も通信支出を削減する傾向にある。事業者にとっては市場の縮小傾向が続いている。サービスは成熟しつつあり、ユーザー企業にとっては提案段階で事業者間の料金競争を促しやすい。
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BYOD許可率が初めて低下 新たな脅威と他社事故で対策増加
[定点観測:BYOD/セキュリティ/クラウド]
企業のセキュリティ投資は、日本で大きな事件となった標的型攻撃や情報流出問題などを受けて、ここ数年増加を続けてきたが、2015年の調査ではこの流れに変化が見られた。セキュリティへの平均投資額が減ったのである。
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低価格機ベンダーの支持広がる VPNルーターは2強が接近
[定点観測:通信機器]
通信機器の分野では満足度の結果も踏まえながら、部門ごとの利用率の動向を検証する。