PR

アプリの共通化は一筋縄ではいかないのでは。

 一番の課題と感じているのは業務アプリケーションだ。どうやって統合するか考えていく必要がある。K5への移行をきっかけに、アプリの作り方や運用手法を標準化したり、共通化したり、自動化したりしていく。

 アプリの作り方を変えようと、マイクロサービス化に取り組んでいる。システム再構築のタイミングになるが、共通で使えそうなものはAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)化して、どの業務からでも使えるようにしていこうと試みている。

 業務機能から共通項を抽出し、それらをどこからでも使えるようにするマイクロサービス化は、なかなか難しい世界だ。というのも、手組みによる膨大な資産があり、すぐに無くすわけにはいかないからだ。膨大な資産があるゆえにアプリの運用、保守にお金がかかっているのは事実だが。

SE子会社統合はチャンス

 折りしも、国内SE子会社3社を本体に統合するプログラムが走っている(関連記事:富士通が国内SE子会社3社を吸収合併、デジタルビジネス拡大を狙う)。

 その中で、今後のシステムをどうするのかという話になっているので、よい機会だ。ビジネスプロセスそのものを見直し、それに合わせてシステムを変えていくチャンスでもあると考えている。

 再構築するとなれば、API化を踏まえて開発したり、あるいはERP(統合基幹業務システム)パッケージソフトを導入したりといった方針でやっていく。この領域は日本だけが遅れていて、ずっと手組みでやってきたが、実は手組みでやる領域ではない。販売管理や、人事、経理といった事務処理は、ERPの領域だ。昔と違ってERPのほうが良くなってきたので、これで標準化したほうがいいと思っている。全て作るのではなく、組み合わせる。

 APIに関してもバラバラとは作らない。ガバナンスが重要だ。APIエコノミーといっても企業の中では、ガバナンスをかけないといけない。共通APIの企画段階から利用するところまで、私たちが入って、グループ会社に対してもガバナンスを効かせるようにしていきたい。

プロジェクトは何人ぐらいで進めているのか。

 本部の中に、デジタルビジネスプラットフォーム推進室があり、メンバーは10人ほどだ。デジタルビジネスプラットフォーム事業本部のメンバーとも連携して進めている。グループ会社にも責任者を立ててもらった。

 これまでは品質確保という観点から若干移行が遅れていたが、ここに来てようやく軌道に乗ってきた。今までは本部主体で、本部が見ているシステム中心に進めてきたが、これからはグループ会社のシステムも一緒にやっていく。

 社内実践の成果をリファレンスとして顧客に使ってもらうために、「社内システム・リファレンス委員会」を立ち上げている。私たちもメンバーに入っていて、事業部サイドと一緒に社内リファレンスを作り上げていく。

顧客のK5への関心は高まっているのか。

 結構な引き合いがある。2016年9月末で700件くらいの商談を展開している。製造業を中心に展開していて、典型例としてはSAPのプラットフォームとしてK5を使っている。どの顧客に聞いても、富士通がやっている社内実践への関心が高い。富士通がやったこととか、できなかったこと、どう工夫しているかなどだ。これらのリファレンス化を加速させたい。