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 テレパシージャパンは2015年6月4日、眼鏡型ウエアラブル端末「Telepathy Jumper(テレパシー・ジャンパー)」を開発者向けに出荷し始めた。評価版端末に加え、アプリケーションの企画開発のコンサルティングや電話サポートがついた「ディベロッパープログラム」の価格は60万円(税別)。6月末には18万円(税別)で単体発売も予定しているという(関連記事)。

 もともとテレパシーはAR(拡張現実)アプリを開発していた頓智ドットの井口尊仁氏が2013年7月に起業した。米グーグルが眼鏡型ウエアラブル端末「Google Glass(グーグルグラス)」の開発を進めていたこともあり、世の耳目を集めた。それから約2年、開発者向け評価版とはいえ、ようやく出荷にこぎつけた。

 だが、この2年、テレパシーの体制は大きくさま変わりした。社長を務めていた井口氏は2014年7月に退任してフェローに就任。それまでCTO(最高技術責任者)を務めていた鈴木健一氏が代表取締役に就いた。一般消費者向けプロダクトのこだわりを見せていた井口氏の方針は大幅に変更され、企業向け市場の開拓を優先。また、当初、提示していたモックアップとは大きくデザインが変更され、端末にはバッテリーを搭載したリモコンが付属し、首からかけるタイプへと変更になった(関連記事:グーグルと対峙する男)。

 バトンを受けた鈴木社長はテレパシーでどのような未来を描いているのか。話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経コンピュータ)


「Telepathy Jumper(テレパシー・ジャンパー)」を装着するテレパシージャパン代表取締役の鈴木健一氏
「Telepathy Jumper(テレパシー・ジャンパー)」を装着するテレパシージャパン代表取締役の鈴木健一氏
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井口氏からバトンを受け取って代表に就いた。評価版とはいえ、出荷にこぎつけた。

 井口さんとは1年間一緒に仕事をしてきて、「鈴木さんこそがミスターテレパシー」と言われてきた。井口さんが持っていた良い部分はチームとして受け継いだつもりだ。実際に代表のバトンを受けてみて、井口さんもやはり大変だったなと思った。

 もともと井口さんとは「ウエアラブルデバイスは何のためにあるのか」をずっと話し合ってきた。井口さん自身も常に自問自答していた。導き出された結論は「体験」だった。パソコンやスマートフォンはインターネットを経由して情報をやり取りする。逆に言えば、情報が必ず必要になる。だが、ウエアラブル端末は、今している体験をコミュニケーションの一部として共有し、交わすために存在するのではないか。

 これが井口さんと私が作った解釈だった。今のパソコンやスマホでは雑味を含んだコミュニケーションが実現できていない。それこそウエアラブル端末で実現したいと考えてきた。

 「体験を分かち合う」。世の中を変える仕事というのは非常に大変で、このコンセプトを言い続けることを止めたら、消えて無くなってしまう。彼は彼なりの表現でそれをずっと続けてきた。尊敬している。