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 1987年、ロングセラーとなるソフトウエアの原型が世に生み出された。当時、ミシガン大学の学生だったトーマス・ノール氏と弟のジョン・ノール氏が開発した「ImagePro」。これが今もなお、多くのクリエーターに支持され続ける「Adobe Photoshop」のルーツだ。

 1988年に米アドビシステムズがライセンスと販売権を取得し、1990年に最初のバージョンである「Photoshop 1.0」を発売。今年で25周年を迎える。来日したPhotoshop開発者のトーマス・ノール氏に話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経コンピュータ)

写真●Adobe Photoshop共同開発者、アドビシステムズ フェローのトーマス・ノール氏(撮影:陶山 勉)
写真●Adobe Photoshop共同開発者、アドビシステムズ フェローのトーマス・ノール氏(撮影:陶山 勉)
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「Photoshop」が世に出てから25周年を迎えた。率直な気持ちは。

 「Photoshop 1.0」が発売された1990年、パソコン業界が立ち上がってからまだ14年しか経っていなかった。25年間も人気を持ち続けるとは正直、想像もしていなかった。Photoshopが出る前から存在していて、今もなお存在し続けているソフトウエアは本当にわずかだろう。

 ここまで長期にわたって支持されてきた理由は、変遷するコンピュータ業界とともにPhotoshopも変わってきたからだ。1.0が登場したときはインターネットは存在していなかったし、デジタルカメラもなかった。当然、今のようなモバイル端末もない。Photoshopは絶えず、時代の変遷とともにアップデートを繰り返してきた。

Photoshopの25年を振り返ってみて、自身で最も時代を変えたと思える機能は何か。

 バージョン3.0で追加された「レイヤー」機能だろう。アニメーションの制作過程から思いついた。当時のアニメーションではキャラクターを描き、ペイントして、その背景にセル画を重ねていた。ここからレイヤーという概念をPhotoshopに持ち込んだのだ。