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 2015年4月からポリコムジャパンの代表執行役社長を務める三ッ森隆司氏。社長就任直前に突然手足のまひなどが生じるギラン・バレー症候群が発症し、一時は就任を辞退しようと考えた。ところが、米ポリコムのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)のピーターリーブ氏や、アジア太平洋地域担当プレジデントのジェフ・トーマス氏の説得により就任を決めた。その後、同社製品を使って病室からビデオ会議で陣頭指揮を執った。「ビデオ会議の効果を自ら実感した」と語る当時の状況や日本市場での事業戦略について聞いた。

(聞き手は井原 敏宏=日経コンピュータ


ポリコムジャパン代表執行役社長の三ッ森隆司氏
ポリコムジャパン代表執行役社長の三ッ森隆司氏
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社長就任の決定直前にギラン・バレー症候群が発症したと聞いた。当時の状況について教えてほしい。

 ポリコムジャパンの社長就任が決まる直前の2014年12月に、突然ギラン・バレー症候群が発症した。手のまひに始まり、足も動かなくなった。

 一時は社長就任を辞退しようかと考えたが、米本社CEOのピーター・リーブやアジア太平洋地域を統括するジェフ・トーマスは「ビデオ会議を使えば問題なく仕事ができる」と言ってくれた。

 そこで病室にポリコムのビデオ会議システムを持ち込み、ビデオ会議で従業員とやり取りした。通信にはWiMAXを利用したが全く問題なく利用できた。ビデオ会議の利便性を自ら実感できた。

現在の体の状況は?

 リハビリの結果、後から動かなくなった部位から回復していった。今も若干手は動かしにくいが、日常生活に支障はない。

日本市場での事業戦略を聞きたい。

 第一にマイクロソフトとのパートナーシップに注力する。

 一度ビデオ会議の便利さを知ると、それまでの電話会議には戻れない。まずはマイクロソフトの企業向けコミュニケーションツール「Skype for Business」を企業に導入してもらう。そのうえで、より利便性や臨場感を追求する顧客に我々の製品を提案していく。

 Skype for Businessにもビデオ会議機能はあるが、必ずしも高画質ではない。多人数との会議に適していない点もある。

 使い続ける間に、より良い画質や利便性を求めるのは自然の流れだ。そこに我々の製品が入り込む機会が生まれる。マイクロソフトとの連携による効果には、大きな可能性を感じている。

日本と海外の市場で顧客ニーズなどの違いはあるか。

 極端な違いはないと感じている。関心が高いのはクラウドとモバイルだ。ビデオ会議システムは会議室には浸透しているが、クラウドを通じたモバイル端末からの利用は日本企業では遅れている。

日本市場でクラウドやモバイルの進展が遅れている理由をどう考えるか。

 日本の顧客は技術に対する関心は高いが、導入には慎重だ。

 ただ、ニーズ自体は高い。女性や高齢者を労働力として活用するには、自宅にいながら社内のビデオ会議に参加できるシステムは有効だ。

慎重な日本の顧客にいかに利用を促すのか。

 我々自身、2011年の東日本大震災をきっかけに働き方の変革に取り組んできた。現在はテレワークなどが当たり前になっている。

 働き方の変革が生産性の向上に直結したことを数値化するのは難しい。だが、全体としての売り上げの向上や、新しいことができるようになったという成果を示していけば、効果を実感してもらえるだろう。

 今後は製造業を中心に、日本での製品導入事例を増やしていきたい。