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 Mt.Gox(マウントゴックス)の破綻から半年以上経ち、にわかにビットコイン市場が活発化の兆しを見せている。最大の動きは10月末に日本でサービスを開始した大手取引所Kraken(クラケン)だ。日本のKrakenは米ペイワード・ジャパンが担当しており、マネージング・ディレクターの宮口礼子氏が日本代表となる。来日した宮口氏に話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経コンピュータ)

Kraken日本の代表を務める宮口礼子氏
Kraken日本の代表を務める宮口礼子氏
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Krakenの日本参入について伺いたい。いつから検討していたのか。

 2014年度末からだ。日本市場への参入を検討していた矢先、マウントゴックスの破綻が起きた。この破綻によって図らずもビットコインそのものの認知度は向上した。マウントゴックスの日本人の利用者はせいぜい1000人程度だった。ほかの数多くの利用者は外国人だ。たまたま日本にあったため、社会問題となってしまった。マウントゴックスのシステム、セキュリティのレベルは低く、もともと破綻していなくても時間とともに抜けると考えていた。

 ビットコインの取引所はよほどの覚悟がなければやらないほうがいい。ハッカーの対象にもなるし、厳しいコンプライアンス体制も必要になる。我々は5億円ほどの投資を受けているが、そのほとんどはコンプライアンスに費やしている。

 エンジニアのレベルも必要だ。この業界に通じていて、金融システムを担えるエンジニアはそもそも人材市場にあまりいない。ようやく見つけたとしてもコストはかかるし、システムを構築するまでには時間がかかる。費用を投じただけでは簡単に取り組めない。軽い気持ちでやるとマウントゴックスの二の舞になる。

 Krakenはユーロ圏でナンバーワンの取引所だ。日本を含め185カ国にユーザーがいる。プラットフォーム自体は英語だが、今回、日本参入に当たっては日本語化とともにサポートも日本語で展開することにした。

改めて伺いたい。マウントゴックスの破綻をどう見るか。

 2年も前からマウントゴックスは危なかった。業界の中でも誰しもが知っていたことだ。本当に防げることが防げず、最低限の対策が何も取られていなかった。ビットコインのポテンシャルには目を向けず、ゲーム感覚で取引所をやった結末だ。消費者保護の観点が彼らには欠落していた。

Krakenが日本市場に進出する目的は。

 日本は改善が得意な国だ。あらゆるサービスが次々と生まれてくる。ウォレットサービスにしろ、ペイメントサービスにしろ、日本がサービスを磨き上げ、面白くしていく。消費者に落とし込んでいくのが非常にうまいのかもしれない。

 現在、ドルに強いビットコイン取引所はビットスタンプで、Krakenは大手取引所で初めて円の取り扱いを始める。