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 2014年12月25日、「サイコロ給」などの風変りな社内制度で知られるWebコンテンツなどの開発事業者カヤックが、東証マザーズに上場した。1998年の創業以来、“面白法人”を名乗り、ユニークな自社サービスと受託開発で事業成長を続けている。株式公開により、面白法人はどのように変わっていくのか。柳澤大輔 代表取締役 CEOに話を聞いた。

(聞き手は羽野 三千世 = 日経コンピュータ)


カヤック 代表取締役 CEO 柳澤大輔氏
カヤック 代表取締役 CEO 柳澤大輔氏
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東証マザーズに上場した目的を教えてほしい。

 主に自社開発のソーシャルゲーム、およびスマートフォンゲーム専用コミュニティ「Lobi」へ投資するための資金調達だ。

 2010年にソーシャルゲーム開発へ参入して以来、高校野球ゲーム「ぼくらの甲子園!」シリーズがヒットし、堅調に事業成長を遂げてきた。今後、更に投資を加速させることで事業スピードを向上させる。

受託開発から利益率の高い自社開発へシフトするということか。

 上場後の注力事業は、ソーシャルゲームや「Lobi」等の自社開発の分野である。一方で、従来のクライアントワーク(受託開発)も、重要な事業として存続していく。

 そもそも、当社のクライアントワークは自社開発事業と比較して利益率が低いということはない。当社にしかできない広告コンテンツを高単価・高付加価値で受託している。

 クライアントワークには、3カ月程度の広告キャンペーンなど、短納期、かつ高度な技術力を要する研究開発要素の強い案件が多い。このような短納期のプロジェクトが高速で回る環境で、若手クリエイターを育成し、自社開発事業に還元している。当社にとって、受託開発と自社開発をハイブリッドで持つ意味は大きい。

 クライアントワーク(受託開発)を含めた広告、コンテンツ(ソーシャルゲーム)、コミュニティ(Lobi)と一貫したサービスを提供することでシナジー効果を発揮し、事業拡大を図っていく。

ソーシャルゲーム分野の開発者はニーズが高いが、上場によって人材が採用しやすくなることを期待しているか。

 国内において、ソーシャルゲーム分野の開発者は各社の争奪戦だ。マザーズ上場後でも、人材採用の厳しさは変わらないだろう。

 一方で、海外での人材採用に際しては、株式公開をしている意味は大きいと考える。情報が少ない中で、上場企業ということで当社に興味を持ってもらえる。現在、当社の開発者の1割程度は海外出身者だ。2015年は人員数の増加を計画しているが、海外採用の面では有利に働くと考えている。

株主を持つことで“面白法人”らしさが失われることはないか

 従業員が面白く働き、日本的な面白いコンテンツを作っていくという当社の理念は、上場後も変わらない。変えたくないからこそ、米国でもアジアでもなく、より密に株主と対話ができる日本の株式市場に上場した。例えば、毎月サイコロを振って給料の一部を決める「サイコロ給」の制度は、上場後も継続していく。