PR

 業界の主要プレーヤーが集まり、オープンソースのSDN(Software-Defined Networking)コントローラーなどを作成するプロジェクト「OpenDaylight」。2014年2月の初版に続き、同9月には続くバージョンである「Helium」を早くもリリースした。エグゼクティブディレクターのニーラ・ジャック氏に最新の状況を聞いた。

(聞き手は加藤 雅浩=日経コミュニケーション編集長)

OpenDaylightの最初のバージョンである「Hydrogen」に続き、早くも2番目のバージョン「Helium」をリリースした。進化が早い印象だ。

Nicolas "Neela" Jacques ニーラ・ジャック
Nicolas "Neela" Jacques ニーラ・ジャック
米ジョージタウン大学で理学士号、シカゴ・ブース・スクール・オブ・ビジネス大学で経営学修士(MBA)を取得。米ベイン・アンド・カンパニーでコンサルタントとして活躍後、米ヴイエムウェアに入社。2007年に同社にて最初のクラウド・コンピューティング・プロジェクトを発足させる。仮想化を適用するコアチームのメンバーとして活躍し、同社の「vCloud Suite」をはじめ、SDDC(Software Defined Data Center)ビジョンや戦略を策定し、市場に送り出す。2013年11月にOpenDaylightプロジェクトのエグゼクティブディレクターに就任。同プロジェクトにおいて、プロジェクトのガバナンス、技術、コミュニティー、マーケティングなどあらゆる面を監督している。

 最初のバージョンのHydrogenと今回のHeliumは、位置付けが大きく異なる。

 Hydrogenは、とにかく何かアウトプットを出すことが目的だった。業界のキーとなるプレーヤーを一つのテーブルに座らせ、共通のSDNソフトウエアのリリースが可能ということを業界に知らしめる必要があった。Hydrogenはその役割を十分果たし、この取り組みが実現可能ということを示した。

 それに対して今回のHeliumは、OpenDaylightプロジェクトに参加するメンバーがソースコードをビルドし、実際に製品としてリリースできるソフトウエアを作ることを目的とした。商用化を前提としたリリースである点が異なる。

OpenDaylightプロジェクトが目指すゴールについて聞きたい。

 我々にとってのゴールとは、ネットワーク業界に存在する“断片化”に打ち勝ち、SDNの普及を促進することだ。

 例えば現在は、あるベンダーのネットワーク機器を利用すると、他のベンダーのオプションは利用できない。このようなベンダーロックインが存在することが、SDNの普及を阻む要因と言える。

 OpenDaylightプロジェクトは、このようなベンダーロックインによる“断片化”を防ぐため、共通のプラットフォームをコードベースで作ることを目的としている。

 共通プラットフォームが普及すれば、アジャイルでプログラマブルな環境をネットワークの分野で作れる。例えば新興のネットワークベンダーが新たにビジネスに参入しようとした場合、レイヤーの下から上までの機能をすべて自分たちで作る必要がなくなる。市場に素早く参入できるようになるだろう。