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ここまでの話を聞いていると、新たな直営店のオープンや帯域増強で相当にコストがかかっているはず。MVNOは事業として成り立っているのか。

写真:太田 未来子
写真:太田 未来子

 全体でまだ黒字にはなっていない。黒字化が見えてくるのは加入件数が100万を突破してからだ。そこに到達するまでは、テレビコマーシャルを含めた販促の手を緩めるつもりはない。MVNO市場の寡占化が進んで、上位5社までしか生き残れない時代が来るとすると、小さいままではそこで終わってしまう。

 来年度中には黒字化に持っていきたい。そのためには150万を超えるところまで加入件数を獲得する必要があるだろう。

黒字化や加入件数150万超に向けた次の一手は。

 フルMVNOを前向きに検討している。やりたい気持ちは十分にあるが、コスト削減の効果を調べたところ、当初想定していたよりも少ないことが分かった。そこで、新しいサービスが本当に組み立てられるかどうかを本腰を入れて考えている。もしやるとなったら、まずはNTTドコモ回線からスタートし、KDDI(au)回線にも対応していく。

固定系のFTTHサービス「eo光」の現状は。

 昨年度までは非常に好調で、全体を通じても純増を維持できた。これにより2017年3月期の経常利益は3年ぶりの増益を達成した。

 ただ、今年度の後半に陰りが出てきている。特に、2月、3月は減りが激しかった。解約も増えている。光コラボの影響によるものだ。特にソフトバンクに移っている数が多い。販売の現場が携帯ショップであり、どのような特典を付けているか把握すら難しい。これでは太刀打ちできない。

 だからこそ我々はmineoをもっと魅力的にして、携帯ショップに行く前にmineoに来てもらうようにする。そこでeo光を勧められるようになれればいい。ただセット割引については、現在提供している「スマートバリュー」との関係を整理する必要があり、めどがついた時点で開始したい。

FTTHに関しては、10G-EPON(10Gビット/秒の光イーサネットアクセス)とvCPE(宅内通信機器の仮想化)を組み合わせた実証実験に取り組んでいる。どんな将来像を描いているのか。

 10G-EPONはモニター5世帯を対象に7月まで実験中。ここでvCPEも評価してもらう。それを踏まえて、来年度にはサービスインしたい。

 正直なところ、今のユーザーは1Gのサービスで十分満足されている。それでも10G-EPONやvCPEを手掛けるのはFTTHの可能性がまだまだ無限にあることを示したいからだ。無線系でより高速な5G(第5世代移動通信システム)が話題となり、だんだんとFTTHが見劣りするようになってきた。FTTHが本業の我々としては「光は健在」というところを見せたい。

昨年始めた電力小売りサービス「eo電気」は苦戦が伝えられていたが現状はどうか。

 当初1年で5万契約を目標に、eo光のユーザーに限定して販売を始めたところ、しばらく3万のラインで伸び悩んでいた。それが、2017年4月に開始されるガスの小売全面自由化を受けて、この1月に「関電ガス(eo割)」の申し込み受付を開始したところ、そこからの3カ月でぐっと伸び、申し込みベースで5万を超えた。ガスと電気のセットは3~4割に達している。関西地域のエネルギー市場は関西電力と大阪ガスの真っ向勝負による取り合いが激化している。