■コミュニケーション基盤に「Office 365」採用。メールはプライベートクラウドで
■システム部門が率先してツールの活用方法を提案。「運用保守」から「企画提案」へ

日本を代表する総合商社である伊藤忠商事。同社は現場力を強化し、業務効率化を図るため、2014年6月から8月にかけて社内のコミュニケーション基盤を一新した。
まずは2014年6月に米マイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Office 365」を導入した。業務効率化を促す新たなコミュニケーション基盤として、ユニファイドコミュニケーション機能の「Microsoft Lync Online」やファイル共有機能「Microsoft SharePoint Online」、そして社内SNS機能「Yammer」などをまとめて活用している。
一方で以前からのコミュニケーション基盤であるメールについては、伊藤忠のビジネス上の都合から、メールデータを国外に置けない事情があった。Office 365のメールサービス「Microsoft Exchange Online」はデータが国外に保存されてしまうことから全面採用できない。
そこでメール基盤については、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)のプライベートクラウドサービス「BizホスティングEnterprise Cloud」上で、マイクロソフトのメールサーバー「Microsoft Exchange Server」を構築。Office 365のメール機能と連携するというハイブリッド構成にした。こちらは2014年8月に稼働を始めた(図1)。
伊藤忠の導入したシステム構成は、重要データを国外のクラウドに置くことが難しい日本企業にとって、参考になる形態と言える。