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インフラのコスト削減を追求

 タマホームが実績よりも“挑戦”を選んだのは、「人的負担を含む運用負荷を大きく削減する」(経営統括本部システム部の賀来義明部長)という目標を追求したからである。従来、データセンターの賃料やハードウエア償却などのITインフラ維持に投じていた月1000万円ほどの費用は、クラウドへの移行でおよそ4割削減できたという。

 この他に運用委託の経費も実質的に削減できた。ERPの運用作業は従来も現在もITベンダーに委託し、この費用は同じだ。ただしインフラ部分はクラウド化によって効率化が進み委託費が削減できた。しかも、本社で運用していた一部サーバーもクラウドに移行させたことで、タマホームのシステム部門は、以前にも増して運用業務から開放された。賀来部長は「業務委託の拡大などで生まれた余力は、経営を支援する攻めのIT戦略構築などに注ぎたい」と言を強める。

 タマホームがERPのインフラ基盤を見直すきっかけはサーバーの更新。その時期が2014年に迫っていた。新しいインフラは最新の技術を踏まえて、コストや運用負荷を減らしたかった。

 タマホームは2008年にSAP ECCを導入している。導入支援を受注し、現在も運用を受託しているのはNNTデータ子会社のJSOL。旧社名の「日本総研ソリューションズ」の時代からSAPのERPパッケージ導入支援に強みを持ち、タマホームの案件では同社のビジネスモデルに合わせたカスタマイズ開発も手掛けた。クラウドへの移行前は、JSOLがタマホームのシステム一式をデータセンターで預かり、ハードからソフトまで運用業務を一括受託していた。

 しかしサーバー更新に当たり、タマホームは新しいインフラ基盤構築の提案をITベンダーから幅広く募ることにした。クラウドを含む最新技術を徹底的に比較して、確実にコスト削減のメリットを出すためである。

 2013年前半までに、JSOLやその親会社のNTTデータのほか、IIJ、ソフトバンク、NTTコミュニケーションズなど様々なベンダーから提案を募った。米アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)の採用も検討した。

 最終的に選んだのは、IIJのIaaS「GIOコンポーネント VWシリーズ」。GIOシリーズのうちユーザーに決まったハードウエアを割り当てる専有型のメニューを採用した。決め手は機能とコストの両面でSAPのERPを運用するのにちょうど良い特徴を備えていたこと。そしてタマホームがIIJの回線サービスを既に利用し「保守運用に信頼感を持っていた」(賀来部長)ことだった。