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 ドイツが産官学共同で推進するプロジェクトの名称。工場内の装置をネットワークでつなぎ、自律・分散して連携する新たな生産体制の確立を目指している。


 インダストリー4.0は、ドイツ語で「第4次産業革命」(Industrie 4.0)を意味します。過去の産業革命では、その時代に登場した革新的な技術が、当時のものづくりの現場を大きく変えてきました。

 第1次産業革命では「蒸気機関」。ものづくりの現場は、これまでの手作業から機械作業へと一変しました。第2次産業革命では「電力」が革命を起こします。重工業の発達や大量生産の進展などをもたらしました。そして第3次産業革命は「IT(情報技術)」です。製造や加工用の装置をきめ細かく制御できるようになり、作業の自動化が進みました。

手法:作業工程をダイナミック制御

 続く第4次産業革命、つまり、インダストリー4.0では「サイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System)」が、ものづくりの現場を変えます。ここでは自動車の生産現場を一例として、どういった変化が起こるのかを見てみましょう。

 現在の車の生産現場では、決められた工程に沿って作業が進む「ライン型」の生産方式が主流になっています。1つのラインで同時に生産できる車は基本的に1車種、または同じ作業工程で生産可能な車種に限られます。構造が全く異なる車種を生産するには新たなラインを組んで新しい組み立て用装置を用意しなければなりません。

 それに対し、インダストリー4.0では「ダイナミックセル型」と呼ぶ方式で生産します。組み立て用装置は、作業工程ごとに1つの「セル」にまとめ、それらのセルをメッシュ状に配置します。車はセルからセルへと“渡り歩く”ことで組み立てられていく仕組みです。

 ラインが固定されていないため、渡り歩くセルの組み合わせで様々な作業工程を選択できます。ライン型に比べて、1つの工場でより多くの車種を生産できるようになります。