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車の自動運転や安全運転支援システムに必要となる、高精度の三次元情報を持つデジタル地図。交通事故や渋滞、天候など、更新頻度の高い情報も地図データに組み込んで利用することを目指している。

 「車の自動運転」が、現実のものになりつつある。政府は、2020年代前半に必要な場合だけドライバーが対応する「準自動走行システム」を、2020年代後半以降にドライバーの対応が必要ない「完全自動走行システム」の導入を目指している。この目標の実現に欠かせないのが、従来のカーナビゲーションシステム用の地図と比べて、一桁以上精度の高い三次元空間情報を持つデジタル地図「ダイナミックマップ」だ。

 ダイナミックマップには、道路や建物といった時間変化の少ない情報だけでなく、渋滞や周辺車両の進行状況といった刻一刻と変化する情報も併せ持つことが求められる。そのため地図情報を時間変化の度合別にレイヤー(層)に分けて管理し、それらを重ね合わせて自車の周辺状況を含んだ地図情報を逐次作り出す方法が検討されている。

 基盤となるのは時間変化のほとんどない高精度の道路地図で、その上に比較的変化の少ない建物や標識などの情報を含むレイヤーが来る。さらにその上には、規制や渋滞、天候による運行への影響など、時間単位で変化する情報のレイヤーが、最上位には周辺車両の動きや信号の切り替えなど、刻一刻と変化する周辺状況を含むレイヤーが重ねられる。

 政府が目標とする車の自動運転導入スケジュールに合わせて、民間の取り組みも進んでいる。地図メーカーや自動車会社15社が共同で、ダイナミックマップの整備や実証、運用に向けた検討を進める会社「ダイナミックマップ基盤企画」を2016年6月中にも設立する予定だ。

 自動走行を活用した新たな交通システムの実現で、事故や渋滞の削減、環境負荷の軽減、新しい産業の創出などが期待されている。

自動運転などへの活用を目的としたダイナミックマップの概念図。地図情報を更新頻度別にグループ分けして管理することで、従来の道路や地形といった静的な情報だけでなく、通行に影響する事故や天候などの情報、さらにその時々の車両の動きや信号の状態などの情報も反映できる(本田技研工業の発表資料を参考に作成した)
自動運転などへの活用を目的としたダイナミックマップの概念図。地図情報を更新頻度別にグループ分けして管理することで、従来の道路や地形といった静的な情報だけでなく、通行に影響する事故や天候などの情報、さらにその時々の車両の動きや信号の状態などの情報も反映できる(本田技研工業の発表資料を参考に作成した)
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