働き方改革で盛り上がるVDIやWeb会議
2020年度の両市場は合計約1400億円
矢野経済研究所は働き方改革を目的として業務効率化や生産性向上に寄与するITサービスや製品を分析した。働き方改革のブームを追い風に急拡大しているのが、シンクライアント・クライアント仮想化(VDI)とビデオ・Web会議の市場という。
2016年度のシンクライアント・クライアント仮想化(VDI)市場は前年度比7.9%増の458億5000万円だった。2017年度は同6.7%増の489億円の見込み。働き方改革におけるテレワークの推進や情報セキュリティの強化を目的に拡大基調が続くという。同市場は年約8%のペースで成長を続け、2020年度には620億円まで拡大すると同社は予測している。
一方のビデオ・Web会議の国内市場規模は2016年度が同8.3%増の511億円だった。2017年度は同11.0%増の567億円の見込み。年1割以上のペースで拡大し、2020年度に808億円に達すると同社はみている。多様なワークスタイルの実現が必要とされるなか、遠隔コミュニケーションを実現する同市場は引き続き需要が高いと、同社は指摘している。二つの市場を合計すると2020年度は1428億円。2016年度の約1.5倍に膨らむ計算だ。
同社は働き方改革にはIT活用が不可欠とし、対象職場がオフィスから工場やコールセンター、倉庫、小売店舗などに広がっているとする。
非IT部門でのIT人材育成
半数以上が必要性感じる
IDC Japanが従業員数300人以上の国内企業でデジタル化を担う人材の育成状況や課題を調べた。IT部門の71.0%と業務部門の51.0%が、業務部門でも「新たなデジタル技術の概要教育が必要」または「新たなデジタル技術を、業務部門で導入できる程度まで教育が必要」と回答した。業務部門での教育の必要性が高まっている。
多くのIT部門は「既存システムの対応で忙しく、新しいことをする時間がない」と課題を挙げた。既存人材の再活性化が必要だと同社は指摘する。
国内PCサーバー出荷台数
4年連続の減少へ
MM総研によれば、2016年度の国内PCサーバー出荷台数は前年度比6.8減の44万5688台と3年連続で減った。出荷金額は同5.2%減の2456億円で7年ぶりの減少である。仮想化によるサーバー集約ニーズが一巡し、パブリッククラウドサービスの利用増などで台数、金額ともに飲み悩んだと同社は分析する。
2017年度予測は出荷台数が同4%減の42万7930台、出荷金額が同1%減の2429億円。データセンターの新設投資が拡大し、出荷金額を下支えする。