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 日本生命保険は2015年3月、新たな営業支援システムの運用を開始した。従来はオンプレミス(サーバー設置型)で構築していたが、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)へ移行。各拠点にいる担当者や協力会社との情報共有の迅速化を図る。

 新システムを利用するのは、同社不動産部のメンバーや業務委託業者など約100人。不動産部は、同社が保有するオフィスビルのテナント候補企業に対して営業活動を展開している。

 不動産部は従来、マイクロソフトのデータベースソフト「Microsoft Access」を使って構築した営業支援システムで、営業担当者の案件や商談、顧客訪問記録を管理。データは社内のファイルサーバーに保存していた。

 だがセキュリティを確保するため、地方の担当者や業務委託業者はファイルサーバーに直接アクセスさせていなかった。本社の担当者が地方の担当者や業務委託業者に、メールでExcelファイルを送付。地方の担当者や業務委託業者はExcelファイルの内容を更新して送り返し、本社の担当者が変更をAccessに反映させる、という作業が必要だった。

マイクロソフトのサービスを採用

 迅速な情報共有を可能にしたいと考えた日本生命は2014年4月、オンプレミス型の営業支援システムをSaaSに切り替えることに決めた()。クラウドなら、地方の担当者や業務委託業者でも容易にアクセスできるからだ。「データ更新の手間を省き、担当者が1件でも多く営業に回れるようにしたかった」(日本生命)。

図 日本生命保険が不動産部向けに導入した新営業支援システム
社内外の情報共有を迅速化
図 日本生命保険が不動産部向けに導入した新営業支援システム
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 日本生命は複数のSaaSを比較検討した結果、2014年12月に日本マイクロソフトのクラウド型CRM(顧客関係管理)サービス「Microsoft Dynamics CRM Online」を選んだ。操作性とコスト面のほか、国内データセンター(DC)から提供される点が決め手となった。「クラウドサービスの利用は外部委託に当たる。定期的にDCを現地調査する必要があった」(日本生命)。国内にDCがあるほうが調査しやすい。

 日本生命は2015年1月に、従来システムからの移行作業を開始。日本マイクロソフトが国内DCからDynamics CRM Onlineの提供を始めた3月9日に稼働開始した。同社は国内DCからの利用第1号となる。移行や導入に要した費用は公表していないが、移行作業は計画通りに進んだという。

 SaaSに移行したメリットとして、日本生命は「業務委託業者との情報連携が迅速になり、導入後の要望に対してその都度、手元で修正できるようになった」点を挙げる。Dynamics CRM Onlineの利用範囲を今後拡大していく可能性もあるとする。