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 国産IT大手4社の2017年4~6月期連結決算が2017年8月3日に出そろった。富士通とNEC、NTTデータは増収増益、日立製作所は減収増益と4社とも増益だった。

表 IT大手4社の2017年4~6月期連結決算
4社とも好調な滑り出し
表 IT大手4社の2017年4~6月期連結決算
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 日立の「情報・通信システム」部門は売上高が前年同期比3億円減の4347億円でほぼ横ばい。営業利益は同149億円増の271億円と大きく伸びた。ストレージや国内ATM(現金自動預け払い機)の販売が減ったが、システム構築などのSI事業が好調だった。SIのプロジェクトマネジメントの徹底やハード事業の生産機種の絞り込みなどで利益を伸ばした。

 IoTプラットフォーム「Lumada」は2017年度の見通しの9500億円に対して4~6月期の売上高は2040億円で進捗率が21.5%だった。20%弱を見込んでいたため計画以上の進捗だ。

 富士通の「テクノロジーソリューション」は売上高が6726億円とほぼ横ばい。営業利益は同18億円減の52億円だ。ニフティの個人向けネット接続事業が連結対象外になったことが響いた。ただ、内訳を見るとSI事業の売上高は同3.5%増の2189億円で、第1四半期としては「過去最高」(富士通)。製造や流通、サービス業向けが好調だった。PCや携帯電話、国内の携帯電話基地局の販売も伸びた。

 NECの営業利益は「エンタープライズ」以外の各セグメントが伸びた。エンタープライズは流通・サービス業向けなどが減ったほか、IoT(インターネット・オブ・シングズ)関連の投資費用が増えたため減益となった。

 NTTデータの売上高は前年同期比37.8%増の5404億円。営業利益は同27.6%増の221億円だった。米デルテクノロジーズのDell Services部門の買収などにより、グローバル事業が大きく伸びた。銀行向けや製造業向けビジネスの規模も拡大した。

 好調な滑り出しとなったが、2017年度はさらにプラスとなる要因が控える。働き方改革関連の需要だ。

 日銀が7月に公表した「日銀短観」によれば調査対象企業の2017年度のソフトウエア投資計画額は前年度比7.0%増という(20ページに関連記事)。

 日立は人工知能(AI)を使って顧客の働き方の改善やオフィスやコールセンターの生産性を上げる効果を実証中。Lumadaを使った関連ソリューションを積極的に提供していく。

 富士通も「引き合いはたくさんある」と話す。ユビキタス事業でも需要が増え始めているという。「テレワークやモバイルワークの関連で軽量PCの人気が上向いている」(富士通)。

 NECはテレワークのための仮想化技術や通信サービスのビジネスチャンスを期待する。NTTデータは人間のPC操作を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のニーズに期待する。

 4社は働き方改革の需要について「4~6月期の業績の上乗せ要因にはなっていない」と声をそろえるが、通年ではプラス効果が表れる可能性が出てきた。「特需」に向けて助走をつけた格好の4社。思わぬ不採算案件の発覚などがなければ、2017年度は快走を続けられるかもしれない。