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1987年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。2008 年に楽天入社。2011年楽天カード取締役常務執行役員、2013年楽天銀行副社長を経て、2014年6 月から現職。(写真:陶山 勉)
1987年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。2008 年に楽天入社。2011年楽天カード取締役常務執行役員、2013年楽天銀行副社長を経て、2014年6 月から現職。(写真:陶山 勉)

 楽天銀行では部門(本部)ごとに担当役員がいるが、システム部門は私が担当している。実質的には社長兼CIO(最高情報責任者)である。インターネット銀行である楽天銀行にとって、「システムは銀行そのもの」といっても過言ではない。経営への責任はシステムへの責任と同義だ。

 社長とシステム担当の兼務の利点は、システム部門とユーザー部門の双方にものが言えることだ。システム部門には「最終利用者である顧客を意識しなさい」、ユーザー部門には「システムを理解しなさい」と常に言っている。

 他の銀行と異なる楽天銀行の付加価値は、便利なサービスの安価な提供。システムは合理的かつ低コストに開発する。原則としてシステムは内製で、基幹の勘定系システムは2001年にイーバンク銀行として開業した際にスクラッチで構築した。100人強からなるシステム部門が主導し、これに一部設計やコーディングを担うITベンダーを加えて数百人規模で開発する。教育を目的に、システム部員にコーディングさせることも多い。

 同じ社内とは言え、IT知識に乏しいユーザー部門と、業務知識に乏しいシステム部門は話が合わないこともある。そこで両部門を取り持つ役割として、10数人からなる「プロデュース部」を置いている。

 ここが「システムをいかに合理的に、低コストで作るか」に対して責任を持つ。ユーザー部門から業務要件を聞き出し、システム要件に変えてシステム部門に伝える。業務とシステム双方の理解が求められるため、ユーザー部門所属でITの素養がある人材を登用するなど、戦略的に育成している。

 現在の開発は、スマートフォン対応に焦点を絞っている。これまではPCとスマホを併用していたユーザーが、今はスマホしか使わない。

 既に口座開設や振込などを操作できるが、常時持ち歩くスマホならではのサービスも提供する。Facebookの友達に送金できる機能や、為替の変動をプッシュ通知して、スマホアプリを通じて外貨預金に預け入れできる機能はその一例だ。楽天証券などグループ他社のサービスとの連携も強化する。

 我々にない価値を提供するFinTech企業とは、ぜひ組みたい。仮想通貨は各国の通貨主権に縛られないマネーとして、ブロックチェーンは相互認証のシステムとして興味がある。ただし、PFM(個人財務管理)など内製できるものは自ら開発する。(談)