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【今月のテーマ】ビッグデータ
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 新たな用語が出ては消えるIT業界にあって「ビッグデータ」はここ数年ですっかり普及を遂げたようです。製造業における設備の障害予知をはじめ、膨大なデータを解析することで新たな知見を得られる可能性があるという点は、多くの活用事例とともに知れ渡ってきています。

 ただ、読者の皆様から寄せられたアンケート結果では、そうはいっても実際の業務に活用するにあたって苦戦している様子がうかがえます。

 ビッグデータを活用しているか尋ねたところ「積極的に活用している」「一部で活用している」は合計18%と、2016年春の前回調査より5ポイント減少。「活用を検討している」も7ポイント減りました。

 反対に「全く活用していない」は4ポイント増え47%に、「分からない」も8ポイント増の13%となりました。アンケート回答者が2016年春の調査と必ずしも同じでない点に留意は必要ですが、全体的な活用状況としては残念ながらやや後退していると言わざるを得ません。

 では、現場での活用があまり進んでいない背景にはどのような実情があるのでしょうか。ビッグデータの課題を複数回答で尋ねたところ、上位3項目は「専門家の育成」「利用部門の知識やスキルの不足」「システム部門の新技術の理解やスキル獲得」という順番となりました。

 いざ自社でビッグデータを活用しようと思っても、具体的にどう進めればよいのか、誰が関連したスキルを持っているのか、と戸惑っている様子がうかがえます。アンケートの自由回答でも「何となくデータを集めて解析するのでは費用がかかる」「中小企業はデータの入手や管理が難しい」などの意見がありました。

 それらに続く第4位に「活用事例の不足」が来ていることを見ても、データの収集・分析の仕方についてヒントを得たいユーザー企業の担当者が多いようです。

ばらつきの解消策が課題
沼口一幸、38歳、埼玉県川口市

 事業の検証などで、客観的なデータとして活用できるビッグデータは必要だと感じている。しかし専門家が不足しているため、分析者によって分析する方法などにばらつきが出る懸念がある。ばらつきをどのように解消するかが課題だと感じる。


自身に不要なデータも多い
木村直也、45歳、大阪府大阪市

 有効に活用するためのスキルが、まだ使用者に身についていない(または身につけることが難しい)と思う。データ量が膨大であるため、有効に活用すれば大きな力になることは間違いないだろう。ただ、言い方を換えれば自身に不要なデータも多くあるため、結果として自身の望むデータを得ることが難しいと感じている。


万能薬ではない
匿名希望、28歳、神奈川県川崎市

 ビッグデータや機械学習を、魔法のような万能薬であると捉えている経営者が多いことに危機感を抱いている。

 ビッグデータを用いたソリューションは、明確な目的に適合した形式で情報を集めて整理・分析し、その結果を戦略に還元することが肝要だ。しかし日本の大手企業の多くは、役に立たないデータと漠然とした成長目標しか持っていないのに「ビッグデータがこのモヤモヤまで解決してくれる」と勘違いしている。

 ビッグデータや解析、機械学習にできることは限られており、分析のためのきれいなデータ集めが解析の土台であることを、経営者は認識すべきであると感じている。


インフラへの投資が必要
匿名希望、60歳、神奈川県横浜市

 ビッグデータの利活用のためにはインフラへの投資が必要で、データ量が多いためクラウドであってもデータの管理を徹底しないとすぐにディスクがパンクする。


専門家の育成が急務
匿名希望、56歳、東京都品川区

 データサイエンティストや技術の選定ができる専門家の育成が急務だが、ユーザ部門から出てきているニーズを満たすには、特定の社員を指名して教育しているだけでは間に合わない。外部の先端ベンダーと協業したり、場合によってはベンチャー企業を買収したりすることも考えている。


まずはスモールスタート
匿名希望、50歳、愛知県名古屋市

 他社事例を参考に、自社を取り巻く事業環境へどのように活かせるか検討中だ。経験がないなか、まずはスモールスタートして、必要なノウハウを順次蓄積していきたい。


教育現場でのルール整備を
匿名希望、60歳、神奈川県横浜市

 2020年以降に小学校でプログラミング教育がスタートするなど、教育とICTがこれまで以上に盛り上がってきていると思う。教育現場における小学校~高等学校の児童や生徒たちから収集できるビッグデータについて、集め方から分析方法までを考える絶好の機会だと思う。

 ビッグデータの適正な活用に向け改正個人情報保護法も施行されたが、教育現場でビッグデータを活用し、世界の教育の進歩に後れをとらないようにするためにも、教育現場におけるビッグデータ収集のための法整備やルールの取り決めなどが必要だと思う。


自治体のデータ活用促進を
匿名希望、48歳、埼玉県ふじみ野市

 自治体などの公的機関は、地域や社会を読み解く際に活用できる多くのビックデータを蓄積できるし、一部はすでに潜在的に持っていると思う。一方で個人情報の扱いに過大な懸念を抱いたり、他の自治体の動向をお互いに見合ったりするなか、情報を囲い込んで、外部と情報共有や連携をする発想がなくなってはいないか。

 意識ある自治体が参加し、データの蓄積と活用を促す仕組みが広がるとよいと思う。