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 音楽とインターネット、スタートアップ(新興企業)をテーマに開催されている大規模イベント「ザ・ビッグ・パレード」で14日、ドリコムの内藤裕紀社長が「ソーシャルゲームからみるフリーミアム×音楽の可能性」と題して講演した(写真)。昨年始めたスマートフォン(スマホ)向けのアプリ(応用ソフト)の取り組みを踏まえながら、「新しい音楽の体験を増やすことで音楽市場は拡大できる」と指摘した。

写真●講演する内藤裕紀ドリコム社長
写真●講演する内藤裕紀ドリコム社長
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 内藤社長は講演で「スマホの登場で、ゲームや音楽、書籍、動画などすべてのコンテンツ配信に共通するハードウエアが誕生した」と強調。「スマホはランチタイムなどちょっとした時でも人が手放さない。わずかな時間でも音楽を聴けるようになる流れは商機になる」と、音楽市場も同様の流れに乗ることが重要との認識を示した。

 ドリコムはソーシャルゲーム事業が収益の稼ぎ頭。その同社が昨年11月末に「新参者」として音楽配信サービス「DropMusic」の提供を始めたのは、ゲーム市場で起こった変化が音楽市場でも起きる可能性があると読んだからだ。

 ソーシャルゲームを巡っては、2009年から10年にかけての「ゲームの無料化」、10年から11年にかけての「アイテム課金などの収益モデル」、12年以降の「スマホの音楽デバイス化」と変遷。この結果、スマホでまずは無料から入り、有料の顧客へと育成するモデルが成立するようになった。

 音楽市場ではCDの低迷が長期化する一方、「ゲームなどに比べ音楽のデジタルコンテンツ化はまだ進んでいない」。同社の分析では、足元では新譜以上に旧譜が再生されるケースが多いとの結果が出たという。例えばクラウド上で曲を提供する環境を整えれば「音楽業界がこれまでのCD販売とは違うやりかたで、再び利用者との接点を増やせるチャンスになる」という。

 音楽のフリーミアムを推進し音楽市場を広げる過程では、「プレーリストなどの充実により、消費者が新しい曲と出合う体験を増やすことが重要になる」との認識を示した。また利用者同士の交流などで「ソーシャルな体験」を推進する。「ゲームでの経験を踏まえながら、いろいろな実験をしていく」と述べた。

出典:日本経済新聞 電子版『ドリコム内藤社長「音楽市場、スマホが商機作る」』