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講演する世界的な音楽プロデューサーのスティーブ・リリーホワイト氏
講演する世界的な音楽プロデューサーのスティーブ・リリーホワイト氏
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 東京・代官山で開催のビッグイベント「ザ・ビッグ・パレード」の最終日となった15日、著名な音楽プロデューサーのスティーブ・リリーホワイト氏が講演した。ザ・ローリング・ストーンズやU2など世界的な人気ロックバンドのアルバム制作を手掛けた体験談を織り交ぜながら、音楽制作やアーティストのあり方について語った。

 「以前はどのアルバムや楽曲にも『これは彼がプロデュースしたんだな』と分かるような個性があった。今は録音技術や楽曲制作の手法に多様な選択肢があるが、出来上がった音楽はどれも同じように聞こえてしまう」。リリーホワイト氏の講演は自身が音楽プロデューサーとしてのキャリアをスタートさせた70年代と、現在の音楽業界を対比することからはじまった。

 続いて「現在はストリーミング形式で聴き放題が当たり前の時代。だからといって録音状態やアレンジなどの質が低くていいということにはならない。過去も現在も、高品質を追求しなければヒットは生まれない」と語った。現在はアーティスト1人でもコンピューターを駆使して楽曲を制作できるようになっている。こうした状況に「本当に良い曲を生み出すには1人でコンピューターと向き合うだけでなく、様々な人が協力し合うことや、録音スタジオなど優れたインフラが必要になる」との見方を示した。

 リリーホワイト氏はさらに、アーティストや音楽の成功とは何かについて論じた。「プロデューサーとしての長年の経験から言えるのは、高い芸術性を備えた作品や、それを追求するアーティストにはおのずと商業的な成功もついてくるということだ。そこが逆になると結局うまくいかない。時代が変わっても愛してもらえる『タイムレス(時を超えた)』な作品を生み出せるのが芸術の醍醐味だ」